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media/NHK佐賀放送局より取材を受けました

佐賀県佐賀市にあります「佐賀県立図書館」1963年〜(共同設計:第一工房+内田祥哉)が60周年を迎えます。その話題を中心に、NHK佐賀放送局のニュース番組で紹介されました(7分ほどの動画です)。

佐賀県立図書館の設計について、第一工房の関係者としてZoomで取材を受けまして、恥ずかしながら少し話を(数十秒)させていただきました。

NHK佐賀放送局(2023年3月2日放送動画)
クローズアップ佐賀「 岐路に立つモダニズム建築」

https://www.nhk.jp/p/ts/ZV244PGPP2/movie/

ニュースの中に、設計者として第一工房代表の高橋さんと内田先生のお二人を紹介する部分が少しだけあるのですが、関係者からしましても貴重な映像だと感じました。実際にお二人と面識のある方は、とても懐かしく思われるのではないでしょうか。

事前の取材時には、私たちが前職でお世話になりました第一工房 代表の高橋さんについてのエピソードや関連する書籍、私が以前「佐賀県立図書館」を見学した際の印象などを聞かれましたのでいくつかお伝えしていました。
最終的な放送では、コメントの一部をTVの限られた時間の中に違和感なく組み込んでいただけたように感じ・・正直なところホッとしています。
NHK佐賀放送局で企画段階からご担当された真野さん、素晴らしいご準備と映像のまとめまで、どうもありがとうございます。

また第一工房では100名以上のOBがいる中、今回の取材が私のところにあったのも何かの縁ではないかと勝手ながら感じています。

高橋さん晩年期の第一工房スタッフとして、設計以外の鞄持ち的なことも含め、多くの場所へ愛車のマツダRX-7(FD3S)に乗りご一緒させていただいたことが思い出されます。高橋さんと担当の現場へ向かう途中で、過去の逸話などいろいろとお聞きしました(個々のエピソードはどこかでまた触れてみたいです)。時にはRX-7を運転するよう言われましたし、またお一人で打合せに外出された際に、故障してしまった愛車を路上に置いて(打合せに遅れないよう、なんと乗り捨て状態で)向かわれた後、私が回収しに行って警察とJAF対応をしたこともありました。
そして設計プロジェクトでも重要な案件を多く担当させていただきましたが、中でも「白河市立図書館」は何か関連があるかもしれません。白河は結果的に高橋さんが手掛けられた最後の公共建築で、取材された佐賀県立図書館は最初の公共建築の設計です。ちなみに高橋さんが佐賀の図書館を設計されていた年齢と私が白河の図書館を設計させていただいた年齢も同じという偶然もあったり・・

佐賀県立図書館については、今も現役の図書館として利用され管理されている方々の姿勢がすごいと感心します。ただ同時に「モダニズム建築だから大切に残せば良い」という単純な話でもないとも感じます。古い公共建築を現代のニーズに適合させ、活用するには課題も多く存在します。まず耐震の問題(改修済み)とバリアフリー化、設備の全面的な改修は費用をかけて行う必要がありますが、60年前と現在では人々の暮らしやニーズも大きく変化し、古い施設を工夫して資料や装備、建築プランの見直しなどをしても(建築空間の不足はどうしても生じると思われ)図書館として高いサービスレベルを保持することはかなり大変な気もします。これは白河市立図書館の設計経験からも実感するところです。
今後、増改築や用途変更(コンバージョン)等の可能性を含めた様々な議論の中で、建築の保全と活用が良い形で続いてほしいものです。

今回、NHK佐賀放送局で紹介いただいたニュースにより、佐賀県立図書館、隣にあります市村記念体育館(設計:坂倉建築研究所)、モダニズム建築全般についてやDOCOMOMOの活動など、一般の方に少しでも理解が広がるといいなぁと思います。
さらに佐賀地域での放送に限らず知っていただけたらということで、私なりにブログでも紹介させていただきました。

図書館が60年間 佐賀の方々に愛されて・・きっと高橋さんも内田先生も喜んでくださっていると思います!

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2023-03-04 | Posted in news, blog |