diary, blog
アルヴァロ・シザ
あけましておめでとうございます。
新年の初ブログでは、1冊の本を紹介させていただきます。
「ポルトガルの建築家 アルヴァロ・シザ」
伊藤廉(著)
ポルトガル建築界を代表する、世界的に高い評価を受ける建築家、アルヴァロ・シザ(1933年〜)。そのシザ事務所で実際に設計スタッフとして7年間勤務された伊藤廉氏による400ページほどの建築書です。アルヴァロ・シザの建築を27作取り上げ、デザインプロセスやコンテクストについて、また建築家へのインタビューも交えながら解説が綴られています。
以前アルヴァロ・シザの建築を体験してみたいと思い、ポルトガルでいくつかシザ建築を実際に見学しましたが、その時の記憶が蘇るだけでなく、現地をただ訪れただけでは理解しにくい建築デザインの変遷についても知ることができる内容でした。なかなか写真だけでは伝わりにくいシザ建築の魅力、巨匠建築家の人間性が垣間見えるような貴重な本といえます。
実際に設計事務所で(特にアトリエ事務所で)働いたことのある方には、なんとなく共感できる「あるある」エピソードが楽しくもありました。海外の有名建築家の下で修行され、建築家との信頼関係がある伊藤氏だからこそ日本とポルトガルの文化の違いも含めてリアルな部分を語ることができるのだと思います。
一つ一つの建築の素晴らしさと奥深さ、建築家「アルヴァロ・シザ」の建築への愛情をあらためて感じることができました。
これから行います新たな設計提案も、現在進行中の現場の設計監理も、心を込めて頑張りたいと思います。
2021年もどうぞよろしくお願いいたします。