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2023年度 大学授業スタート

2023年度4月、大学・非常勤講師としての授業がはじまりました。
毎年のことながら、キャンパス内のメインストリートの新緑から「新学期スタート!」という雰囲気を感じます。
キャンパスの設計では、施設を設計するだけでなく緑化計画もとても重要になりますね。

前期、愛知工業大学の建築学科では、主に学部3年生が受講する座学「建築ディテール」と設計演習「設計製図Ⅳ」を担当させていただきます。
新型コロナウィルスの話題も落ち着きを見せ、授業形式はようやく通常の対面授業に戻るかたちとなりました。以前、遠隔授業も経験しましたが、やはり対面で行う授業のライブ感、複数の学生さんが同じ教室でお互いの活動が見えて刺激もある環境は良いものだなぁと、初回授業を終えて実感しました。
愛知工業大学での設計指導も気がつけば9年目を迎えるのですが、今年は設計製図で指導者1人が受け持つ学生さんの人数が過去最多でした。
3コマ続きのエスキス指導は気力も体力も目一杯使って取り組むことになりそうです。

大学での授業、進行中の設計実務とも、エネルギーを込めていきたいと思います!

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2023-04-14 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

耐圧盤の配筋検査

進行中のプロジェクト「吉祥寺の住宅/House in Kichijoji」は現在、基礎工事中です。

建築は、地下1階部分をRC造、地上1、2階を木造とする3層のフロア構成・混構造ですが、先日、最下階の床レベルとなる耐圧盤の配筋検査を行いました。

写真は、耐圧盤(厚さ:300mm)の中に、梁型を内蔵している状況(写真右側)です。掘削・床付け面も配筋も全てフラットなので施工性も良く、地盤の不同沈下に対して影響を受けにくい構造モデルとなっています。

この日は、設計監理で現場をチェックする検査に加え、確認検査機関に依頼しています「住宅性能証明(耐震等級)」と、「住宅瑕疵担保責任保険」の立会い検査も行いまして、それぞれ無事に合格となりました。

今後のコンクリート打設では、壁+上部スラブで打放し仕上げがありますので、事前にしっかりと施工者と打合せ・準備等をして進めたいと思います。

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2023-03-17 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

赤城神社・狛犬

都内、神楽坂駅近く(徒歩1分)にあります「赤城神社」へ行ってきました。

鳥居をくぐり、大階段を登りますと
正面に社殿、左手に螢雪天神があります。

これらは平成22年に再興工事が完了しているとのことで、境内の各施設は軽快な現代の建築として表現されています。
(設計:隈研吾建築都市設計事務所)

社殿の前、一対の狛犬が
ちょっとスフィンクスのようでもあり、印象に残りました。

側面・背面はこんな感じです。
大きな耳もモードっぽいヘアースタイルにも見え、全体のプロポーションは何ともチャーミングです。それでいて、大きな目や力強く盛り上がった胸には緊張感もみなぎっています。
建築の造営と共に、狛犬も現代的に新しくデザインされたものだろうか?
と思いましたが、江戸時代に流行した「加賀白山犬」という型とのこと。ただ残っている物はわずかのようです。

ちなみに脇にあります社務所では、この狛犬の姿(2体セット)をミニチュア化した魔除けの御守として授与されています。

江戸期には、日枝神社、神田明神とともに「江戸の三社」と呼ばれる由緒ある赤城神社。
戦後に続いた財政難を解決するための再生プロジェクトとして、境内に70年の定期借地権を設定した分譲マンションを建設(2010年)。契約終了後には「赤城の杜」として復活させる長期的な計画とのこと。2023年からですと57年後となり、その様子まで見ることはできませんが・・期待が膨らみますね。


このマンションの低層部、社務所の並びにあります「あかぎカフェ」にも立ち寄りました。境内(社殿の前)では、ちょうど挙式後・記念撮影をされているタイミングでしたので、幸せそうなご家族をカフェ内より拝見しながら、休憩させていただきました。

歴史・伝統を引き継いでいく中で、現代の都市的な生活スタイルに合う良いアレンジが加えられた建築プロジェクトなんだなぁと、遅ればせながらの見学で感じました。

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2023-03-01 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

New project/平家の二世帯住宅

ゲストを招くことも多いというご家族のための二世帯住宅。

できれば平家にしたいという住空間へのご要望を盛り込みつつ、敷地のポテンシャルを見極め、外部空間や半外部空間を活用しながら日々楽しめる住まいを検討しています。

それと同時に昨今の建設費の高騰に対し調整をどう実現させるか・・

projectはまだ初期の段階ですが、クライアントご家族、設計者、施工予定の工務店さんを交えて意見交換しながら進めています。

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2023-02-22 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

キャリア教育/職業講話

横浜市立もえぎ野中学校(青葉区)さんより「職業講話」のご依頼が田園都市建築家の会にあり、先日 hm+architects/伊原 が担当させていただきました。

今、子どもたちは、社会的・職業的に自立し、社会の中で自分の役割を果たしながら、自分らしい生き方を実現することが求められています。
この職業講話は、キャリア教育の一環で、将来の夢や目標を醸成し、進路選択に興味を持ってもらうことを目的とした学校プログラムです。
もえぎ野中学校さんでの講話は、中学1年生が対象で、10種類以上の職業の実務者が講義を行うとのこと。その1つとして「建築設計」の仕事があり、学生さんは希望する職業・講座を選択し、聞いてくれるという授業です。

50分の授業を2度(学生さんは入替え)同じ内容で行いましたが、みなさん大変熱心に聞いてくれました。

・建築士になろうと思った理由はなんですか
・数学の知識は使いますか
・建築士になるためには、どうしたら良いですか
・その仕事で経験と学歴ではどちらの価値が高いですか
・設計している中で大切にしていることはなんですか
・実際にどんな仕事が難しかったか

など10分ほどの質問タイムも多数の意見で時間切れとなるほどで、休憩時間にも持参した建築模型を囲みながら、個別に質問をいただきました。いろいろと興味を持っていただけたようです。
授業後に講師控室まで案内してくれた学生さんからは、多く仕事の種類がある中「この授業を選んで良かったです!」と言ってもらえました。純粋な眼差しとコメントで素直に嬉しかったです。

実はこの講話の少し前にも、横浜市立青葉台小学校(青葉区)さんからも弊社に6年生向けのキャリア教育授業のお話をいただいており、こちらは体育館で6年生全員に向けて建築設計・建築家についてのお話しをさせていただきました。その授業風景の写真はありませんが、6年生のみなさんもとても熱心に聞いてくれました。一緒に体育館で聞いて下さった校長先生からもコメントを頂くなど、建築への関心を広げていただけたようで良かったです。

これまで数年間、大学の非常勤として大学生向けにお話しする場面はありましたが、今年ははじめて、小学6年生と中学1年生に向けての授業を経験しました。建築の専門用語をあまり使わずに子ども達にもわかるよう伝えるにはどうすべきか・・あらてめて考える良い機会にもなりました。


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2023-02-10 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

地鎮祭/吉祥寺の住宅

晴天のもと、都内で進行中のProject「吉祥寺の住宅/House in Kichijoji」で地鎮祭を無事、執り行うことができました。

祭壇は敷地の中央、南に面して配置され、三方を紅白幕で整えていただきました。
冷たい風の中でも穏やかに神事を行うことができ、有難かったです。

道路協議や埋蔵文化財の試掘調査などを経て、ようやく着工までたどりつくことができました。
これから関係者一丸となって現場、設計監理業務を進めていきたいと思います。

敷地上空の雲が、この1月吉日の地鎮祭にぴったりな雰囲気に見えました。

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2023-01-21 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

2023 仕事はじめ

新年あけましておめでとうございます。
2023年は本日、1月5日より hm+architects の仕事を開始いたします。

今年の初詣は、JR千葉駅から1.2kmほど東にあります「千葉神社」まで行ってきました。
幸い穏やかな晴天に恵まれ、清々しい空気感の中で2023年のスタートを迎えることができました。

境内の建築について、少し補足させていただきます。
写真の御社殿は、上下に二つの拝殿を有する「重層社殿」とされ、他の神社とは異なる(国内初とのこと)迫力のある建築の形式が特に目を引きます。

また千葉神社の境内には、この御社殿のほか複数の神社があります。一般に 「摂社:せっしゃ」・「末社:まっしゃ」と呼ばれるもの(私の理解が間違っていなければ)で、御社殿の西側には、ご縁の深い神様を祀る摂社の「千葉天神」が配され、その南側には小さな末社が複数(14社)存在しています。

こちらの末社が建ち並ぶ景観も、神様のまちなみのようでもあり魅力的です。
それぞれ建築のスケールは小さいのですが、屋根は銅板葺、棟木から高く突き出ている部分の「千木:ちぎ」と、頂部の丸太のような装飾「鰹木:かつおぎ」を乗せた造りとなっています。
ちなみに、千木の先端のカットされる向きや、鰹木の本数から、神様の男女がわかるそうですが、写真の千木は外削ぎ(地面に対して垂直)かつ、鰹木が奇数本ということから男性の神様と判断できるようです。
いずれの末社も勧請された年代は大変古く、小さい社ながらも1つ1つ特別な存在であり、さらにしっかりとした建築の佇まいからそれぞれに敬意が払われているように感じられます。

既存の形式に捉われることなく、新たなチャレンジへの一歩を踏み出すこと。
これまでにお世話になり、ご縁のあった方々への敬意を忘れず大切にすること。
2023年のはじめに、そのようなことを感じる千葉神社・初詣となりました。

皆さま本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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2023-01-05 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

中部大学の時計塔

先週末、非常勤で担当する授業は年内最後でした。
コロナ等心配も続く中、まずは一度も休むことなく終えられホッとしています。

お世話になっている大学の1つ「中部大学」で、学内の普段利用しない講義室の脇から、イイ感じの景色を見つけましたので1枚写真に。

大学は愛知県春日井市にあり、約38万m2もの広さを持つキャンパスは丘の上に広がっていますので、大学内からゆったりと街を見渡すことができるポイントがいくつかあります。
振り返りますと、私が大学に関わらせていただくのは、前職(第一工房)時代からいくつかの学内施設で設計担当者として数年、その後独立してから非常勤として数年・・遠隔地ながら気がつけば、都合かなりの年数と回数、足を運んでおります。
それでもやはり、広いキャンパス内でこれまで知らなかった景色を見つけ、ハッとすることが時々あります(単に自分の意識が低いせいもありますが)。
学内で設計プロジェクトとして関わる特定のエリアだったり、授業で毎回利用する決まった講義室への移動など、ルーティン化する中で、やっぱり視野も狭くなっていくのかなぁ。

個人的にキャンパス内でオススメなのが、添付写真の中央に見える「時計塔」です。
これは第一工房の設計の1つですが、デザインは第一工房というより、ほぼ全て代表の高橋さん個人の好みで仕上がったものになっていると言えます。
過去に雑誌発表などもしていませんので、一部のマニアの方以外はご存知ないと思われ、少しだけ補足してみます。
フレームは極めてシンプルに、ステンレスの溝型柱を背中合わせに透かして2本立たせ、その小口だけをキラリと鏡面に仕上げたディテールとしています(遠い写真からは、ちょっとわかりませんが)。
私は出来上がった当初、正直なところジェネレーションギャップと言って良いのか、こういう味付けは若い設計者は頑張ってもできないなぁと感じていました。
その後、残念ながら高橋さんにお目にかかれなくなってからしばらくして、大学を訪れると、この時計塔が高橋さんそのものに感じてしまうことが増えてきました。
生前の高橋さんは記念碑(慰霊碑)などの案をお考えになるのもお好きなようでしたし、建築の機能整理(スタッフの条件整理作業)を必要としない時計塔などのモニュメンタルなデザインは、組織の設計ではなくソロ活動のように楽しんでいるように見えました。
事務所で十数年ご一緒させていただき、生粋のモダニストのデザインというのは、シンプルな構成の中にも設計者の美意識、意図が現れるディテールをしっかり持たせ、単なる「合理主義」という訳ではないんだなぁ(それが合理的なつくり方にならない場合やコストが嵩んだりしても、全体としては不合理に見えないように工夫されたり・・)と私は感じています。

この時計塔には高橋さんの「心」が込められていると思いますので、ご興味のあるかたは是非近くで感じ取ってみてください。

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2022-12-26 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

西澤氶さん写真展「DEMIURGOS」

先日、都内での打合せ後、写真家の西澤氶さんの写真展「DEMIURGOS」に行ってきました。
今週末の12月11日(日)まで外苑前のNine Galleryにて開催中です。
https://ninegallery.com/exhibition

↓西澤さんのwebsiteはこちら
https://joe-nishizawa.jp
西澤さんの写真撮影は、
例えば、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、核融合科学研究所、福島第一原子力発電所の廃炉作業などで行われています。
通常では撮影することが出来ない、特別な許可が必要な場所での撮影が中心となっています。撮影許可を得るまでに何年も必要となったところもあるとのこと。

西澤さんは高校の先輩でもあり、期間中ご本人から午後は在廊予定とお聞きしておりました。平日の午後にうかがい、比較的ゆっくりとお話することができ(写真の解説などもしてくださり)良かったです。
オリジナルの写真の迫力、その写真集Canonさんの印刷クオリティとも凄かった!

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2022-12-10 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

1年検査

「新城の住宅/House in Shinshiro」の1年検査に行ってきました。
現場へは車でも電車でも何度も通いましたが、今回は新幹線と在来線を乗り継いでの移動です。
現場での奮闘から少し時間が空いたせいか、移動途中の景色は何だか以前よりも穏やかに見えました。

関係者の日程調整などで、お引き渡し後1年以上経過しましたが、あらためて外観を拝見しますと、外装のガルバリウム鋼板、コンクリート打放し仕上げとも経年の変化など見られず、ほぼ当初の印象を変えることなく凛々しい姿でホッとしました。

2度目の冬に備え、2Fの大きなバルコニーの下部、軒下のヤードには、薪ストーブ用の薪が用意されていました。

また内部の階段室からは、北側に赤く色づいた紅葉も見えました。
季節を感じる日々の生活が想像されます。

ちなみに階段には景色を取り込む窓がありますが、1階部分は2階のガラス面より北側に膨らむ平面調整を行なっており、上下階でズレがあります。
この断面は設計時から意匠も含めて気を遣うところでしたが、現場施工中もやはり竹林からの落ち葉が多い状況でした。メンテンスへの配慮として、このズレが生じる部分に落ち葉除けの目的でアルミのパンチングパネルを設置していますが、RC躯体面とパネルをフラットにおさめたことでその後、期待通りに風が吹けばサッと飛んでいく状況のようです。設計で標準的なおさまりと違った工夫をしたところについて、一定の効果が確認できると設計者としては安堵し、また密かに嬉しさを感じるところでもありました。
また建築全般で大きな問題もなく、1年検査を行うことができました。

クライアントの奥様から、新居でのご家族の暮らしの様子などをお聞きしていますと、あっという間に時間が過ぎてしまいました。
現場でご一緒していました工務店の監督のKさんとも久しぶりにお会いでき、建設時のことも少々懐かしく振り返るひと時でした。

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2022-12-01 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

猪熊弦一郎展

横須賀美術館の「猪熊弦一郎展」に行ってきました。

美術館の開館15周年、猪熊さん生誕120周年の企画展です。
会期は2022年9月17日〜11月6日まで。今週末の日曜が最終日となります。

香川県丸亀市にあります「MIMOCA/猪熊弦一郎現代美術館」には学生時代の建築見学にはじまり都合3回ほど足を運んでいますが、日帰りで行ける横須賀美術館でも猪熊さんの実作を目にすることができる(娘にも見せることができる)貴重な機会だと思い、先月ですが家族でみてきました。


1938年、憧れのパリに渡りアトリエを構えた猪熊さんが、アンリ・マチスに何度か会い「お前の絵は上手すぎる」と言われたエピソードはよく知られるところです。それは人によく見てもらいたいと思うあまりに「自分の絵になっていない」ということで、画家・猪熊弦一郎の新たな出発点となったとのこと。
パリ時代、ニューヨーク時代など、あらためて作家の作風の変化を再認識できました。歳を重ねてからもエネルギーの込められ方に衰えの気配など全くなく、圧倒されます。

また横須賀美術館も早いもので、15周年なんですね。
建築家の山本理顕さんが以前の講演会で美術館計画(設計中)の解説をされていたことが、ふと思い出されました。大変なこの建築を実現させた建築家のエネルギーにも感服するところです。

エントランス空間の窓(2F)から海が見え、ちょうど丸い窓に船が入っていました。こういったタイミングは、写真を撮りたくなりますね。

芸術の秋・・
特別なエネルギーを肌で感じることができました!

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2022-11-05 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

敷地の確認

家づくりを土地探しから検討していますプロジェクトで、横浜市戸塚区にある敷地について調査を行いました。

最寄駅は、交通利便性の高い戸塚駅です。
新たな土地での日常がどんなイメージになるか、地図情報だけでなく駅から実際に徒歩で何分か、どのようなルートになるか歩いて体感してから、敷地を詳しくチェックします。


敷地とは直接関係しない話題ですが・・
駅の東口ペデストリアンデッキにあります、大きな金属のオブジェが何だか強く印象に残りました。手元でweb検索しても作者や創作意図などはわかりませんでしたが、かなり以前(35年くらい前?)からあるようです。無駄のないフレーム、全体の繊細なプロポーションなど秀逸だと思いました。
調査で土地以外に思いがけず目にするものもあり、面白いです。

本題の候補敷地について
事前に物件情報から建築法令を確認した上で、現場の様子を確認していきます。隣地や敷地内の高低差、インフラの接続状況、周辺の環境(日照・通風・プライバシー)、土地の価格と計画したい建物との全体コストバランスを見ながら、クライアントのご印象、ご購入のタイミングも含めトータルの判断になります。

どのプロジェクトでも、土地・設計者・施工者、どんな運命的な出会いがあるか予想できないご縁があるものです。今回そうしたご縁がありましたら、この地に通うことになると思います。

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2022-11-04 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

event/蔦屋家電セミナーに登壇します

二子玉川 蔦屋家電で開催されますイベント
「HOUSING & RENOVATION 住まいづくりセミナー」に講師・ゲストの1人として登壇させていただきます。

日時:2022年10月30日(日)17:00〜18:30
場所:二子玉川 蔦屋家電/2階 EVENT SPACE & オンライン

講師・ゲストとして、u.companyの内山博文さんと、「田園都市建築家の会」から3名の登壇を予定しています。
建築家としては、山田悦子さん(アトリエエツコ 一級建築士事務所)と私、伊原洋光(hm+architects 一級建築士事務所)の2人、家づくりディレクターとして当山純雄さんがお話させていただきます。
新築戸建て、リノベーションなど、建築家とつくる家づくりの特徴、設計事例をリレー形式でご紹介しながら、そのプロセスで重要ポイントとなった話題をお伝えしたいと思います!

参加費は無料(店頭で25名、オンラインで50名の定員)です。
建築家との家づくりをご検討中の方へ、進め方のヒントをお伝えできれば幸いです。

↓詳しくは、こちらの案内ページをご確認ください
https://store.tsite.jp/futakotamagawa/event/shop/29625-1739011019.html

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2022-10-24 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

フィン・ユールとジャン・プルーヴェ

住まいを考えますと、当然ながら建築だけでは十分でなく、豊かな暮らしは、家具によって支えられているとも言えます。
偶然のようですが、その家具に関する興味深い展覧会が2つ、ほぼ同時期に開催されており、実物を見る貴重な機会と思い行ってきました。

1つは、東京都美術館での「フィン・ユールとデンマークの椅子」。会期は先週末の10/9まで。
もう1つは、東京都現代美術館での「ジャン・プルーヴェ展」。今週末の10/16まで開催中です。それぞれ、魅力的な展示でしたのでご紹介します。

「フィン・ユールとデンマークの椅子」について

フィン・ユール(1912-1989)は、デンマークの家具デザイナーです。ひときわ美しい家具をデザインしたことで知られ、優雅な曲線を特徴とするその椅子は「彫刻のような椅子」と評されています。

展覧会は3部構成で、はじめに「デンマークの椅子 そのデザインがはぐくまれた背景」の紹介がありました。1930年代から60年代に黄金期を迎えたデンマークの名作家具がズラリ。

アルネ・ヤコブセン 革張りの「ドロップ」1958年、ハンス J・ウェグナーの上着のハンガー+座面を立ててズボン掛けになる「ヴァレットチェア」1953年、さらにボーエ・モーエンセン「シェルチェア」1949年、ヴェルナー・パントン「バチェラーチェア」1955年などなど、なかなか見ることのできない当時の家具を拝見。やはり存在感があります。

次はメインの展示となる「フィン・ユール家具」の数々。

こちらは、フィン・ユールの代表作「イージーチェア No.45」1945年ですが、「世界で最も美しい肘をもつ椅子」と言われる芸術的作品です。

フィン・ユール邸リビングの書斎コーナーに置かれている「ワークテーブル」1945年。天板の小口や脚部のディテールなどにこだわり満載です。
上部のペンダント照明は、ヴィルヘルム・ラウリッツェン設計の「VL45 ラジオハウスペンダント」。フィン・ユールが好んだ照明として知られ、自邸でも使われています。

個人的に興味深かったのが「ペリカンチェア」1940年 です。今から80年以上前にデザインされたものとは思えない・・むしろ現代のデザインテイストに近い造形ではないでしょうか。合理性だけでは決して生まれないチャーミングなフォルムです。

そして最後は、椅子研究者の織田憲嗣氏が収集している、世界的にも名高い「織田コレクション」が公開され、その椅子たちに実際に座ることができるという超太っ腹な体験型の展示となっていました。

なんと、こちらの「ペリカンチェア」にも座れました。
そして見た目以上に心地よい座りやすさで、さらに感動!

ぱっと見たところ控えめなデザインに感じる「ジャパンチェア」1957年。しかしこちらも強く印象に残った椅子の1つ。
よく見ますと、背板と座面が木製フレームから軽やかに浮かんでいるデザインで、品位を感じます。フィン・ユールは、日本の伝統的建築空間に強い関心を抱いていたそうです。

「ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで」について

20世紀の建築や工業デザインに大きな影響を与えたジャン・プルーヴェ(1901-1984)。
家具では特に1934年につくられた椅子、のちに「スタンダードチェア」として知られるデザインが有名です。また国際的に大きく注目されたフランス「ポンピドゥー・センター」設計競技(1971年)の審査委員長も務めています。
デザインから生産までをトータルに捉え、素材と技術、構造と機能を備えた家具を多く生み出しましたが、家具をつくることと建築をつくることに隔たりがないと考えたプルーヴェは、その「建設的思考」により組立・解体が可能な建築や建築部材を考案します。展覧会場にはそれら実物が多数搬入され、建築として組み上げられた展示もあります。タイトルの通り「椅子から建築まで」を全て原寸で見ることができる特別な展覧会だと思いますので、まだの方は是非!

写真は少しマニアックに、下から家具のフレームを写したものが多くなっておりますが、ご容赦ください。

△カフェテリア テーブルNo.512(1953)通称:コンパステーブル
▽フラヴィニー テーブル No.504(1951)、ウィシャード医師のためのテーブル(1944)

▽引き出し付き折りたたみテーブル(1943)、スタンダードデスク(1942)

▽「シテ」本棚(1932)、「S.A.M.」テーブル No.506(1951)

▽キャビネット BA12(1950)手かけ板の端部テーパー処理など、らしさを感じます。

▽移動式脚立、自転車のデザインも。

▽スタンダードチェア検討の変遷

▽イージーチェア No.356(1955)通称:アントニーチェア

▽調整機能付き1人がけ学校椅子(1950)も特徴のあるデザインに

▽アルミ製建具、本物を見ることができて感激!

△精巧につくられた模型展示もいくつかありました。
▽原寸もあります。

▽仮設足場がほぼ不要となるフレーム、その組立て方が凄い!

▽F8×8 BCC 組立式住宅

プルーヴェの作品集(洋書)は今、高価なものも多く入手は以前より難しくなっているので・・今、思い返しますと24年くらい前に出版された洋書の大型本を頑張って購入しておけば良かったなぁと、少し悔やまれます。

ちなみに展覧会図録(2800円+税)は内容も素晴らしく、オススメです!

激動の20世紀に家具を多く生み出し活躍された、フィン・ユールとジャン・プルーヴェ。2つの展覧会を通じ、デザインは手仕事的な曲線のクオリティであったり、エンジニア的な視点で工業化を目指すなど、手段は異なりますが、それぞれ1点1点のプロダクトへ込められたエネルギーの凄さ・奥深さをあらためて学ぶ機会となりました。

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2022-10-13 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

イチゴノキ

弊社で設計監理をさせていただきました「葉山の住宅/House in Hayama」に樹木が1本加わりました。

室内のリビングから緑がより多く見え、また外部からの視線も和らぐイメージに、とのクライアントのご希望で、樹木を見に圃場へ一緒に行ってきました。

写真は、横浜市神奈川区にあります「Furuya Plants」さんの圃場で樹木選びをした時の様子です。

今回のリクエストイメージに合いそうなのは・・
いろいろとアドバイスをいただきながら、最終的には、いくつかの樹種候補から「イチゴノキ」を選びました。

「イチゴノキ」は、イチゴのような果実をつけることからこの名で呼ばれるそうですが、もとは地中海地方・西ヨーロッパあたりに分布するツツジ科イチゴノキ属 の常緑樹です。近年、植栽用や園芸店でも出回るようになっているようです。
見た目は、幹に赤みがあり、剥がれやすい樹皮が特徴です。
常緑でかつそれほど大きくなりすぎないサイズ感、またデザイン的にも1つのアクセントツリーになると思われ、奥様も気に入ってくださいました。
同じイチゴノキを数本比較し、高さや樹形の良いものを選びました(写真右)。

後日、選定しましたイチゴノキを地元の「色葉造園」さんに植え込んでいただきました。
写真は植え付け直後の様子です。高さ1.8mのコンクリート壁を背景に、イチゴノキの赤みのある幹の色彩が映えます。その上部に常緑のグリーンというヴォリュームバランスでちょうど良く配置できたと思います。

ちなみに駐車スペースの左手に見えるアカシア・ブルーブッシュは、植込み後1年未満ですが、日当たり良好な環境で、ぐんぐんと成長していました。

お引き渡し後、植栽の変化を拝見しますと、場所・ご家族の雰囲気により馴染んで見え、植栽の計画やメンテナンスも家づくりの大きな楽しみの1つであるとあらためて感じました。

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2022-10-09 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

GLITCHI COFFEE @9h NAGOYA

先週末、新幹線運休により思いがけずしばらく名古屋で過ごすこととなり・・
以前より一度行ってみたいと思っていたカフェ「GLITCHI COFFEE/グリッチコーヒー」さんに足を運んでみました。
運良く混み合っておらず、窓際のカウンター席の 電源+WiFiも使用できる環境で静かにひと時を過ごすことができました。

場所は、名古屋駅から徒歩5分ほど、スタイリッシュなカプセルホテル「nine hours/ナインアワーズ」の1階にあります。

コーヒーは、スペシャルティコーヒーを専門に提供するお店です。ライトローストのトップオブトップと呼ばれる、コンクールでも高評価な、かなり希少な豆を使っているそうです。一般的なコーヒーと比べますと、かなりフルーティな香りを楽しめ、ラインナップも充実しています。
コーヒーの温度により風味が変わるので、それも楽しんでくださいとご説明をいただきました(ちなみにコーヒーのおかわりは、200円引きとなります)。

またこの建築(nine hours NAGOYA)の設計は、芦沢啓治建築設計事務所によるものです。実は以前、見たいと思って1度だけ宿泊利用でナインアワーズNAGOYAを利用したことがありました。


ただその時は、朝早く移動する予定でしたので、1FにあるGLITCHI COFFEEさんは営業時間外でした。今回は、ゆっくりとカフェのみ利用させていただき、コーヒーと建築の見学ができ良い経験となりました。

外部のベンチもシンプルな造形ながら、しっかりとデザインされており流石です。カフェの床もコストを抑えながらコンクリートに白い骨材を使用しているようで、見せ方のアクセントになっています。

以前宿泊利用した際に、建築のスナップ写真も撮っていましたがブログにはあげていなかったと思いますので、カフェの話題に加えておきます。最上階には宿泊者が使えるラウンジ空間があり、名古屋の朝の景色を10階から眺めることができます。

空間に合わせ、スチールでオリジナル照明器具を製作(上下配光となっていました)するなど、芦沢さんらしい設計を私なりに各所で確認できました。

個の機能を最低限に、少しでも共用部をゆったりと充実させる「空間のメリハリ」が実感できる建築だと思います。
名古屋で宿泊をされる際に、建築にご興味のある方は一度利用されてはいかがでしょうか。

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2022-09-26 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

2022年 秋学期

2022年度の秋学期がはじまりました。
毎週金曜は、中部大学(愛知県春日井市)で1限から講義を担当しますので、早朝より向かいます。

この日は雨。
移動に距離があるため電車の遅延などに備え、早めに移動していますが、特に学期の初めは通学の学生さんで混雑しがちなため、さらに余裕を持って大学へ。
雨で気温も低めの朝、少しづつ秋の気配を感じながら、大学キャンパスを少しばかり散策。普段講義で利用する棟とは違う、前職で設計に関わった他学部の建物も久しぶりに見ました。


下の写真は、現代教育学部 70号館のエントランスロビー。
基本設計時に模型を作ってスタディしていた頃が思い出されます。

本題の授業については、午前中の初回担当座学を無事に終え・・
引き続き午後も、建築デザイン(設計演習)の指導担当で夕方まで同大学にお世話になります。
今季の設計演習は、前年度と指導体制を少し変え、常勤の先生3名と私を含む非常勤講師5名という指導メンバーでスタートしました。
ご一緒する先生方・学生さんと共に、ポジティブな授業の雰囲気をつくっていけるか楽しみです。

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2022-09-23 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

SUEP.展

都内港区南青山のギャラリー間で9月11日まで開催されていました展覧会、
末光弘和+末光陽子 / SUEP.展「Harvest in Architecture 自然を受け入れるかたち」へ行ってきました。

3Fの展示では、自然環境にある風・熱・水などの働きをシミュレーションするスタディの様子がうかがえます。SUEP.さんの思考は、ボックス型の展示台ごとにいくつも表現されています。

どの手法も、非常に高いレベルで緻密な検討案の紹介でした。
半球状の透明なドームで太陽の動きを目視でチェックできるものは「太陽模型」と命名されていました。

壁面に沿って、プロジェクトの断面模型が用意されています。地面との関係が可視化されます。

この展覧会のために中庭で製作された「Shading Dome」も造形・素材・構造・温熱環境・雨水の流れ・・とかなり手が込んでいます。

原寸のモックアップ展示もあり、迫力とデザインの緻密さを感じます。

SUEP.さんが考える、建築が地球とつながること、そして未来を切り開いていく設計姿勢に触れ、とても勉強になりました。

展覧会は混雑回避のため事前予約制でしたが、会期中に何とか見ることができてよかったです。

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2022-09-22 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

土地探し

新築住宅のご相談で、土地探しからご協力させていただくこともあります。

候補の土地をクライアントと一緒に視察し、周辺の環境や建築法令上の見通し、土地の販売価格と建築可能な規模のご予算バランスなどを土地を取得される前に設計者としてアドバイスさせていただきます。そのようにプロジェクトのアウトラインを定めていきますと、ご希望の建築条件に近づいていくと思われます。

先日も、条件の異なるいくつかの土地をクライアントと視察してきました。

一般に平坦地で整形な土地は、どんな建築事業者(設計施工の工務店、ハウスメーカーさんなど)でも標準的な基本住宅プランがおさまりますので、問い合わせの動きは早いと思います。
また一見、条件が悪そうに見えて土地価格が低く設定されているものでも、設計者と共に慎重に建築の条件等を検討できれば、可能性が広がることもあります。

その街での暮らしをあれこれ想像しながら、どんな土地が良いか、また事前に予想もしていない土地に巡り合ったり・・
家づくり初期の土地探しは、難しくもありますが、同時に期待も大きく膨らみ、楽しいプロセスともいえます。

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2022-09-21 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

続 越後妻有 大地の芸術祭2022

前回のブログ「越後妻有 大地の芸術祭2022」の続きとして、他のアートワーク、同じ施設「越後妻有 里山現代美術館 MonET」内で鑑賞できる3作品についても触れたいと思います。

1つは、「Force」という作品。2021年の新作です。
アーティストは「名和晃平」さん。

黒いシリコーンオイルの液体が多数の糸状となり落下し続けています。床面は黒い池のようになっており、糸が液体の面に接する部分で、その僅かな流れがじわじわと動めいています。
静かに、重力が視覚化されるようなインスタレーションです。

この作品は、離れて見る全体も、近づいて見る細部も非常に美しく表現されていました。
粘性があるシリコーンオイルの動きは、水などの液体が流れる速度よりじっくり時間をかけて流れ落ちるだけでなく、雫状にならず糸のように見えます。その動きは、ぱっと見ただけではわからず、池状の面に接する部分でようやく視認されることに。
物質の落下運動がスローモーションで示されているようでもあり、またオイルの微細な動きは飛び散ることもなく、無音でいつまでも続きます。
時間や空間を違った切り口で見せているような作品でした。

展示のディテールも空間(床、壁、天井、自然光、人口照明)に対し、とても注意深く作品が作り込まれている気がしました。

もう1つは、「Palimpsest:空の池」2018年の作品。
アーティストは「レアンドロ・エルリッヒ」さんです。
レアンドロさんは、金沢21世紀美術館にある「スイミング・プール」をはじめ、国内外で建築空間と一体となる注目作品を数多く製作されています。

この日は曇天でしたので正直なところ「ちょっと残念だなぁ」という気持ちもあったのですが、この作品を体験する天候としては、むしろ良かった気がしました。

池を囲むRC造の大きな回廊空間が特徴といえますが、レアンドロ・エルリッヒにより池の床面には、空と建築の鏡像の絵が貼りこまれています。建物2階の指定ポイントからこの作品を見ますと、描かれた像と建物の水に映る像がぴったりと重なり合います。

紹介した写真は、曇り空なのに、池に映っているのは青空?という不思議な状況が生まれています(池の床面は、晴天時の絵のため)。
この景色は、晴天時には見られない曇天ならではのものだと、楽しめました。

1階から見ますと、浅い池の床面に絵が貼り込まれたグラフィカルな状況がよくわかります。

この池には、30分ごとに霧が発生します。
子ども・大人問わず、池には裸足になり入って楽しむこともできます。

この霧は作品「霧神楽」、2022年の新作です。
アーティストは「中谷芙二子」さん。
人工的な装置によって霧を発生させてつくられる作品は、「霧の彫刻家」や「霧のアーティスト」と呼ばれる作者の代表的なシリーズで、1970年代から世界各地で発表を重ね、大きな反響を呼んでいます。

<以下ガイドブックより/中谷芙二子さんのコメント>
「霧の彫刻」は、大気が鋳型となり、風が彫刻刀となって、刻々と変化する環境彫刻です。たゆたう霧が見え隠れする風景を生み出し、様々な境界を反転させるこの彫刻のことを、Negative Sculpture と呼んでいます。
「空の池」は、L.エルリッヒの真骨頂=逆転の論理=の極みです。この空間を体感したとき、逆転の発想の中に見え隠れする作者の自然に対するリスペクトに共振し、神聖さを感じました。と同時に、固定観念を外す逆転の軽やかさに目を見張りました。私は「空の池」の空間に「霧の彫刻」と響き合うものを感じています。

こうしたサイトスペシフィック・アートは、当然ながらその場所へ足を運ばずには体感できません。また同じ作品であっても訪れる季節や時間、鑑賞者の意識・視点が変われば、その時々で異なる感覚が得られるのだと思います。

優れた芸術作品に出会いますと、作品は異なっても多様な価値観をおおらかに受け止めてくれるような懐の深さ、それぞれに愛情のようなものがにじみ出ていると感じます。

<補足>
建築は、原広司+アトリエ・ファイ建築研究所の設計で、2003年につくられた「越後妻有交流館・キナーレ」で、2021年に「越後妻有 里山現代美術館 MonET」に改修・改称されています。

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2022-09-15 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

越後妻有 大地の芸術祭2022

2022年の夏は、なかなか遠出も難しい状況ではありましたが、先日「越後妻有 大地の芸術祭2022」のアートワークに触れることができました。この芸術祭では複数の展示エリアで数多くの作品を巡るかたちで鑑賞できるのですが、今回はピンポイントで新潟の十日町にあります「越後妻有 里山現代美術館 MonET」に行ってきました。

そこで印象に残った作品を1つ、写真でご紹介します。

「movements」という2021年の新作。アーティストは「目」です。
無数の小さな時計を、ムクドリの群れのように配置したインスタレーション。

近くで見ますと、1つ1つはこのような時計で、個々の小さな時計は全て針を動かしています。

個々に回り続ける回転運動と、それが展示空間に広がる不思議な全体像、その空気感・・

製作・展示のディテールも繊細で美しく、感服します。観る者の視点が変われば、そのイメージも様々に変化するような素晴らしい作品でした。(他の展示を見た後、鑑賞者が少ないタイミングを見計らって、もう一度この作品を見てしまいました)

私たちの建築設計では、建築・空間を使いやすく機能を満足するよう立案し、性能・コストのバランスを調整しながら部分と全体を美しくまとめることを心がけています。そのように合目的的につくられることは当然必要なのですが、さらにその合理性の先にある何か、建築の存在に多様な解釈・イメージが生まれるようなものにできれば・・という想いもあります。

「大地の芸術祭2022」のアートワークに触れ、あらためてそんなことを思い返してみました。

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2022-09-07 | Posted in diary, blogNo Comments »