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中部大学キャンパスにて

愛知県春日井市にあります中部大学で、2023年度・秋学期も非常勤講師としてお世話になっています。
2016年から設計製図の演習指導と座学の講義の2つの授業を担当させていただき、早いもので8年目となりました。

前職の第一工房時代から、大学内のいくつかの施設設計に担当者としても関わっていましたので十数年前からキャンパス内は全般的に知っているつもりですが、季節や時間帯のわずかな違いでも、新たな風景に出会う発見が今もあったりします。

朝早く到着した授業前や休憩時間などに散策し、スナップ写真を撮ってみました。

△写真の建築設計はそれぞれ第一工房の先輩方が手掛けられたものです。
左手奥:30号館、中央:19号北館ブリッジ、
右手:20号館(耐震補強:川口衞構造設計事務所と協働)

どのプロジェクトも、建築の立面・開口部のプロポーションを何度も検討されたのだと所内で聞きました。
20号館は約半世紀前の設計ですが、中部建築賞を受賞された端正な立ち姿は健在です。

左手前の池と緑地はキャンパスの中央に存在し、大学敷地内とは思えないほど美しい景観をつくり出しています。

上記の池に連続する緑地の先には、伝統的和風建築の「洞雲亭(どううんてい)」とそのアプローチ空間があり、木漏れ日の中を気持ちよく散策することができます。

また、中部大学内では
作庭家、岡田憲久さんによる庭を楽しむこともできます。
2箇所、写真でお伝えします。

△ 2号館の中庭「みなもの庭」

△ 25号館北側の中庭「花鏡のある庭」

どちらも水盤のある作庭により、キャンパス内にそれぞれ異なる静謐さをもたらしています。

△51号館 から外部の池を見る

学内には学生食堂が7箇所ありますが、こちらはキャンパス内で最も北側にある食堂(51号館学生ホール・外構共/設計:第一工房)です。
写真は利用者がいない朝の撮影ですが、南側に見える竹林の緑が池にも写し出され、以前知っている見え方とも少し違う景色を目にすることができました。

この建築の設計ではフロアの一部分、池に近い範囲で床を下げています。
利用者の視線を水面に近づけ、水盤の存在を体感しやすくする狙いがありました。
このプロジェクトの設計当時、所内で私は作業の一部に関わったため、この空間には個人的な想いもあります。
設計作業中、設計チーフの先輩から
「伊原くん、あまりお金かけなくても何か面白くするアイデアないかな?」
と聞かれ・・床レベルを下げる提案をさせていただいたことを思い出します。

キャンパスは広いため、大学関係者でも日常利用する目的施設以外、あまり知らないということもあるのではないでしょうか。
中部大学を訪れる際に少し時間がありましたら、キャンパス内を散策してみてください。

blog category:大学・教育
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2023-11-01 | Posted in diary, blog |