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夏のキャンパス

今年の夏は、特別な暑さが続いているように感じます・・
4月から始まった前期15週の授業と期末試験、その評価・成績報告まで終え、非常勤講師の担当作業がひと段落するのは、この8月です。

暑さは続きますが、夏は大学キャンパスの緑が豊富になり、景観としては夏の良さも感じます。
中部大学、愛知工業大学でふと感じたことなどを少しお伝えしてみます。

▽中部大学(ケヤキ並木と芝生)

写真は少し前の撮影になりますが、ケヤキ並木の中央、手入れされた芝生の緑がとてもきれいでした。植栽に限ったことではありませんが、しっかりメンテナンスされた状況を目にしますと、それだけで利用者の気持ちが整うようで・・素晴らしいです。

▽中部大学(左:中央奥の不言実行館、右:14号館)

そのほか、前職で設計を担当した建築(不言実行館、14号館)の周辺の木々も随分と成長しており、気がつけば・・10年ほどの時間の経過を感じ、風景の一部として馴染んでくれているのかな、と思ってみたり。

▽愛知工業大学
キャンパスのメインストリートの並木に面して図書館が建っています。

この図書館は、愛知工業大学の八草キャンパスが整備された黎明期に建設され、すでに半世紀以上経ちますが、今も現役の図書館として利用されています。
私が担当しています3年生設計製図では今季、この図書館をリノベーションする課題が設定され、これまでの50年の考察、この先50年を見据えた新しい大学図書館のあり方を学生のみなさんと一緒に考えました。
どんな設計課題を指導するのかは、大学、学年ごとでも異なりますので、巡り合わせだと思いますが、それも楽しみの1つと言えます。

大学図書館に、ラーニングコモンズ(学生が主体的な学習を支援するための共同学習スペース)が必要とされる考え方は、およそ1990年代後半から2000年代にかけてのアメリカの先行事例が日本の大学でも参照され、全国的に様々な試みがなされてきたと思います。
前職で関わりがありました中部大学について少々振り返ってみますと、まずはじめに既存図書館にラーニングコモンズの改修を行う内装リニューアルが2000年代に1度行われました。その後、図書館とは別に全学共通の学習サポート施設を整備する「不言実行館(竣工:2015年)」が計画され、その設計に携わらせていただきました。当時、中部地区最大規模となるラーニングコモンズを置く施設となりましたが、学内事情や建築的な条件を整理をする中で、何が有効なのか模索しながらの設計だったことが思い出されます。
さらに公共図書館で「白河市立図書館」の設計、そのほか用途は異なりますが「千葉神社」改修プロジェクトで、リノベーションの設計を経験させていただきまして、新築とは異なる設計上の制約、やりがい、設計実務で理解を深めているところです。
そのため、愛知工業大学で図書館をリノベーションするという設計課題については、個人的には偶然にもこれまでにいくつかの経験が結びつけられるような課題だなぁと感じる内容でした。実際のところ改修設計を実務的に解決するためにはかなりの難易度が求められますが、学部3年生ですのでそのあたりは脇に置いて、主に学生さんの自由な発想を引き出すことを考えながら指導させていただきました。

授業で関わりのありました、各大学の夏のキャンパスの緑陰を見ながら・・
非常勤講師としては、各大学からのお声がけで担当している科目・課題ですので、これも何だか不思議な出会いだと感じています。

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2025-08-05 | Posted in diary, blog |