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越後妻有 大地の芸術祭2022
2022年の夏は、なかなか遠出も難しい状況ではありましたが、先日「越後妻有 大地の芸術祭2022」のアートワークに触れることができました。この芸術祭では複数の展示エリアで数多くの作品を巡るかたちで鑑賞できるのですが、今回はピンポイントで新潟の十日町にあります「越後妻有 里山現代美術館 MonET」に行ってきました。
そこで印象に残った作品を1つ、写真でご紹介します。
「movements」という2021年の新作。アーティストは「目」です。
無数の小さな時計を、ムクドリの群れのように配置したインスタレーション。
近くで見ますと、1つ1つはこのような時計で、個々の小さな時計は全て針を動かしています。
個々に回り続ける回転運動と、それが展示空間に広がる不思議な全体像、その空気感・・
製作・展示のディテールも繊細で美しく、感服します。観る者の視点が変われば、そのイメージも様々に変化するような素晴らしい作品でした。(他の展示を見た後、鑑賞者が少ないタイミングを見計らって、もう一度この作品を見てしまいました)
私たちの建築設計では、建築・空間を使いやすく機能を満足するよう立案し、性能・コストのバランスを調整しながら部分と全体を美しくまとめることを心がけています。そのように合目的的につくられることは当然必要なのですが、さらにその合理性の先にある何か、建築の存在に多様な解釈・イメージが生まれるようなものにできれば・・という想いもあります。
「大地の芸術祭2022」のアートワークに触れ、あらためてそんなことを思い返してみました。