diary, blog

道具

先日、某現場の立会いで非常に大きな「スパナ」を見ました。

一般的な工具として「スパナ」のイメージは、ハンディサイズのものしか知らなかったのですが、こちらは長さが1mを超えるほどでした。持ち上げるのも一苦労する重さのようで、持ち手が2カ所作られていました。現場では主に、打ち込まれた鋼管の回転・固定をする際に使用していましたが、道具として20年以上は使われているそうです。

「仕事は道具」という言い方もあります。
良い仕事をするには、良い道具、適したアイテムがなければ求めるモノづくりができないということだと思います。
特に建築・土木の建設現場では、物理的に大きなものを製作しかつ精度も求めれるため、特殊な重機や専用の道具が必要になります。木造建築の大工道具なども昔から大切に扱われますし、内装や家具工事、電気や給排水などの設備工事でも、それぞれ専用の道具がなければ工事が正確に進められないと思います。どの工種でも、最適化された道具が用意され、それを使いこなす職人さんの技術があってはじめて建築が出来上がっていくため、現場はどのフェイズを見ても何かと発見があり、楽しいものです。

現場の前、設計の段階で私たちが図面や模型を作成する場合でも、パソコン・CADソフト、諸々の道具は必須となっています。今後さらなるデジタルツールの発達・進化、AIの活用なども進んでいくでしょう。住宅規模の建築であれば、もう実際に3Dプリンターで出来上がる時代になっています。

道具(ツール)は、目的を達成する手段として工夫が重ねれられ、合理化が進みます。当然、時代と共に大きく変化するもの、必要とされなくなる道具もあります。
建築を設計する立場としては、進化する便利なツールを使いこなすことも必要ですが、その手前のところで「そこに何をどう作るべきか?」という目的をしっかりと考えることが、今まで以上に重要になってくるのかなと、漠然と感じているところです。

blog category:etc.
other categories

2022-07-07 | Posted in diary, blog |