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窓学展「窓から見える世界」

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先週まで東京 南青山のスパイラルで開催されたいました「窓学展」
最終日の夜に、何とか滑り込みで見学することができました。

研究者・建築家とともに窓をアカデミックに調査・研究する『窓学』。
様々な蓄積を経て今あえてゆるやかに定義するならば、“窓”とは『私たちの日常に寄り添い、暮らしに楽しみをもたらすもの』といえるでしょう。本展はこうした“窓”をめぐる知性や感性を、世界共通の文化として俯瞰し、その魅力に新たなまなざしを向ける展覧会です。/パンフレット文より

出展者:ミケーレ・デ・ルッキ、レアンドロ・エルリッヒ、鎌田友介、ホンマタカシ、五十嵐太郎、小玉祐一郎、佐藤浩司、塚本由晴、中谷礼仁、原広司、村松伸+六角美瑠、会場構成:西澤徹夫 と多彩な顔ぶれです。

 

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1Fの出入口脇には、写真家ホンマタカシさんの作品展示
〈Camera Obscura Studies, La Tourette〉
針穴を通して外の風景が室内に逆さまに映し出されるカメラオブスキュラの原理を使い、ル・コルビュジエが設計したラ・トゥーレット修道院の寝坊部屋を丸ごとピンホールカメラにし、窓から見える風景を露光させ撮影。

修道院の寝坊部屋の原寸が再現され、窓からの景色は青山通り(国道246号)というのも、時間と場所がミックスした感じで何だか面白いです。

 

 

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会場の研究展示風景。
どれも興味深い展示・・

 

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鎌田友介さんの作品展示 〈不確定性の透視図法〉
窓のオブジェ。窓のようでありながら、重なったり、変形されたり・・不思議な見え方でした。

 

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メインの展示空間には、レアンドロ・エルリッヒさんの作品展示〈窓と梯子 – 歴史への傾倒〉
斜めのハシゴと、壁と共に切り取られた浮かぶ窓。なんと上から吊られず床から自立しています!
作品には様々なメタファが込められているようで、何とも不思議な世界観が漂います。とても魅力的でした。

 

「窓学展」は今後
金沢工業大学、東北大学、名古屋工業大学、大阪市立大学、九州大学を巡回する予定だそうです。
巡回は研究展示のみとのことですが、各地域の学生さんにとっても良い機会になると思います。

 

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また展覧会場で販売されていた書籍、「内田祥哉 窓と建築ゼミナール」(2017年10月初版)を購入させていただきました。建築家にして建築構法学の創始者が説く開口部論の極意に迫ります・・

1925年生まれの内田祥哉先生は、第一工房 代表であった高橋さんと大親友でありましたので、第一工房には何度もいらっしゃっていました。建築構法学の研究者としてだけではなく、設計実務者として第一工房と共同設計の「佐賀県立博物館」含め2度 日本建築学会作品賞も受賞されています。ちなみに小生が第一工房で設計を担当した「白河市立図書館」については内田先生ご夫妻を、現地をご案内させていただく機会などもあり、先生の偉大さは自分なりに感じているつもりでした。しかしながら今回この書籍を拝読し、あらためて内田先生の知見の幅広さと深さから導かれる俯瞰力の凄さは尋常ではないと痛感しています。「建築界の知の巨人」と言われる内田先生らしさが伝わる素晴らしい書籍です。内容は少々建築関係者向きではありますが、「窓」を含む建築の奥深さが存分に感じられると思います。ご興味のある方は是非手に取ってみてください!

 

blog category:展覧会等イベント視察
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2017-10-18 | Posted in diary, blog |