diary, blog
住宅見学/JYOUSUI-SHINMACHI
私たち2人の前職「第一工房」時代の先輩、建築家の布施茂さん(武蔵野美術大学教授)の最新作を見学させていただきました。
東京西部、武蔵野台地の尾根筋に引かれた玉川上水を北側に望む緑豊かな環境。
「住宅(ご自邸)+アトリエ+ギャラリー」の併用住宅は、RC造・地上3階建て、凛々しく内外ともコンクリート打放し仕上げの建築です。
「House in JYOUSUI-SHINMACHI」という建物名称で、建築専門誌の新建築住宅特集やGA HOUSESにも掲載されています。
第一工房時代にもコンクリート打放しの表現を追求する建築をいくつか手掛けられました布施さんですが、独立後も教鞭を執られながらコンクリート打放し仕上げの住宅を多く設計されています。
写真はガレージ部分の外壁です。
寸分の狂いも無い丸小窓(パンチングコンクリートと呼んでいます)が並び、FIXガラスは細いシール幅で、きれいにおさまっています!
こちらは最上階のリビング空間。
プライバシーを保つコンクリートの壁と、緑の景観を十分に取り込む北面の窓。
リビングの外部には、スロープダウンする外部動線があり、内部空間にも光や景色に変化を与えています。
コンクリートの袖壁で守られた、屋上デッキスペース。
トップライトもデッキ仕上面と同レベルでフラットに。
コンクリート袖壁の上部(天端)は、雨水で外壁を汚さないよう、壁厚の中央に溝を設けて排水処理を行なっています。これは第一工房時代から検討されていましたおさめパターンの1つと言えます。壁厚が十分にあり、左官仕上もきちんとしていないと出来ない内容です。
リビング、階段の上部など、効果的な箇所にトップライトが設置されています。
最上階への階段の踏み面は、強化ガラスになっています。
階段の下階にまで自然光が降り注ぎます。
2Fワークスペース。
天井もコンクリート打放し仕上げ。屋上のデッキテラスにあったトップライトから、軟らかい光が差し込んでいました。
内部、外部、各所ディテール・・
どこもかしこも極めて精度の高いコンクリート打放し仕上げの建築でした。
この日、特別に少人数でご案内いただきましたが
布施さんから直接「どのような図面を作成し、現場への指示をどう工夫されているか」といったお話をうかがうことができ、大変勉強になりました。
ご多用のところ、布施さん・ご家族のみなさま、貴重なひと時を本当にありがとうございました。