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母と娘と、高橋さん

全労済情報センター
先日、八王子方面に出かけることがあり、全労済情報センター(設計:第一工房 1995年)に少しだけ立ち寄ってきました.

この建築は、hm+architects 伊原みどり が前職で設計および監理(現場常駐)を担当したものです.
第一工房の高橋代表をトップに、現在 武蔵野美術大学の教授でいらっしゃいます布施茂さんが当時の設計チーフを務められたプロジェクトでした.

母と娘
母と娘、コンクリート打放し柱の前で
「もう20年経つのか・・」

母親として娘をここへ連れてくることなど、
パートナーみどりさんは担当当時、全く想像もしていなかったとのこと.

「お母さんね、ホント大変だったんだよー」

と娘に話しながら建築の外まわりだけ眺め、少し歩きました. 娘には当然「何のこと??」ですね.
(平日であればギャラリー棟のカフェに入れたのですが・・)
一度、外壁補修工事を行ったとは言え、当時の究極的なコンクリートの精度と建築全体の凄みは今も健在でした.
私(洋光)はもし担当しろと言われたら、コンクリートの打放しのことだけでなく色んなところで気絶しそうな・・
普通でない建築です(多分私では無理です).
本当に大変だったんだろうと思います.
とにかく関わった全ての方に頭が下がります・・

 

今月はじめ、第一工房を長年率いてこられた高橋てい一代表の訃報が事務所OBにも届きました.
(※高橋てい一 の「てい」は青へんに光)

高橋さんは、
外部の方からは「高橋先生」
親しい方には「高橋さん」
特別に親しいごく一部の方からは「ていちゃん」
と呼ばれていました.
事務所スタッフには新人の1年生にも「先生」ではなく「高橋さんと呼ぶように!」
とはじめに教育されましたので、ここでもそう呼ばせていただきます.

私たちは、2人合わせますと30年も第一工房でお世話になってしまい、高橋さんと日々過ごさせていただいたので様々な想いはあります.
建築のことは、半世紀以上第一線でご活躍された高橋さんと、その時々の優秀な事務所の諸先輩方からたくさんの影響を受けました.
本当にありがとうございました。大変永い間、おつかれさまでした.

しかし、建築が命!の高橋さんはきっと今もなお、ゆっくりとお休みになられることはなく、高橋さんが尊敬されていた巨匠と呼ばれる大先輩方とも久々に再会され、建築のことで今まで以上に夢中になってしまっているのだと私は確信しています.

現世に遺された建築には、当然のことながら、高橋さんの建築への愛と執念がしっかりと刻み込まれています.
母と娘

植栽のことで 母・娘は何やら会話しているようでした.

 

 

blog category:建築視察
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2016-03-18 | Posted in diary, blog |