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event/蔦屋家電セミナーに登壇します

二子玉川 蔦屋家電で開催されますイベント
「HOUSING & RENOVATION 住まいづくりセミナー」に講師・ゲストの1人として登壇させていただきます。

日時:2022年10月30日(日)17:00〜18:30
場所:二子玉川 蔦屋家電/2階 EVENT SPACE & オンライン

講師・ゲストとして、u.companyの内山博文さんと、「田園都市建築家の会」から3名の登壇を予定しています。
建築家としては、山田悦子さん(アトリエエツコ 一級建築士事務所)と私、伊原洋光(hm+architects 一級建築士事務所)の2人、家づくりディレクターとして当山純雄さんがお話させていただきます。
新築戸建て、リノベーションなど、建築家とつくる家づくりの特徴、設計事例をリレー形式でご紹介しながら、そのプロセスで重要ポイントとなった話題をお伝えしたいと思います!

参加費は無料(店頭で25名、オンラインで50名の定員)です。
建築家との家づくりをご検討中の方へ、進め方のヒントをお伝えできれば幸いです。

↓詳しくは、こちらの案内ページをご確認ください
https://store.tsite.jp/futakotamagawa/event/shop/29625-1739011019.html

blog category:出展イベント
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2022-10-24 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

フィン・ユールとジャン・プルーヴェ

住まいを考えますと、当然ながら建築だけでは十分でなく、豊かな暮らしは、家具によって支えられているとも言えます。
偶然のようですが、その家具に関する興味深い展覧会が2つ、ほぼ同時期に開催されており、実物を見る貴重な機会と思い行ってきました。

1つは、東京都美術館での「フィン・ユールとデンマークの椅子」。会期は先週末の10/9まで。
もう1つは、東京都現代美術館での「ジャン・プルーヴェ展」。今週末の10/16まで開催中です。それぞれ、魅力的な展示でしたのでご紹介します。

「フィン・ユールとデンマークの椅子」について

フィン・ユール(1912-1989)は、デンマークの家具デザイナーです。ひときわ美しい家具をデザインしたことで知られ、優雅な曲線を特徴とするその椅子は「彫刻のような椅子」と評されています。

展覧会は3部構成で、はじめに「デンマークの椅子 そのデザインがはぐくまれた背景」の紹介がありました。1930年代から60年代に黄金期を迎えたデンマークの名作家具がズラリ。

アルネ・ヤコブセン 革張りの「ドロップ」1958年、ハンス J・ウェグナーの上着のハンガー+座面を立ててズボン掛けになる「ヴァレットチェア」1953年、さらにボーエ・モーエンセン「シェルチェア」1949年、ヴェルナー・パントン「バチェラーチェア」1955年などなど、なかなか見ることのできない当時の家具を拝見。やはり存在感があります。

次はメインの展示となる「フィン・ユール家具」の数々。

こちらは、フィン・ユールの代表作「イージーチェア No.45」1945年ですが、「世界で最も美しい肘をもつ椅子」と言われる芸術的作品です。

フィン・ユール邸リビングの書斎コーナーに置かれている「ワークテーブル」1945年。天板の小口や脚部のディテールなどにこだわり満載です。
上部のペンダント照明は、ヴィルヘルム・ラウリッツェン設計の「VL45 ラジオハウスペンダント」。フィン・ユールが好んだ照明として知られ、自邸でも使われています。

個人的に興味深かったのが「ペリカンチェア」1940年 です。今から80年以上前にデザインされたものとは思えない・・むしろ現代のデザインテイストに近い造形ではないでしょうか。合理性だけでは決して生まれないチャーミングなフォルムです。

そして最後は、椅子研究者の織田憲嗣氏が収集している、世界的にも名高い「織田コレクション」が公開され、その椅子たちに実際に座ることができるという超太っ腹な体験型の展示となっていました。

なんと、こちらの「ペリカンチェア」にも座れました。
そして見た目以上に心地よい座りやすさで、さらに感動!

ぱっと見たところ控えめなデザインに感じる「ジャパンチェア」1957年。しかしこちらも強く印象に残った椅子の1つ。
よく見ますと、背板と座面が木製フレームから軽やかに浮かんでいるデザインで、品位を感じます。フィン・ユールは、日本の伝統的建築空間に強い関心を抱いていたそうです。

「ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで」について

20世紀の建築や工業デザインに大きな影響を与えたジャン・プルーヴェ(1901-1984)。
家具では特に1934年につくられた椅子、のちに「スタンダードチェア」として知られるデザインが有名です。また国際的に大きく注目されたフランス「ポンピドゥー・センター」設計競技(1971年)の審査委員長も務めています。
デザインから生産までをトータルに捉え、素材と技術、構造と機能を備えた家具を多く生み出しましたが、家具をつくることと建築をつくることに隔たりがないと考えたプルーヴェは、その「建設的思考」により組立・解体が可能な建築や建築部材を考案します。展覧会場にはそれら実物が多数搬入され、建築として組み上げられた展示もあります。タイトルの通り「椅子から建築まで」を全て原寸で見ることができる特別な展覧会だと思いますので、まだの方は是非!

写真は少しマニアックに、下から家具のフレームを写したものが多くなっておりますが、ご容赦ください。

△カフェテリア テーブルNo.512(1953)通称:コンパステーブル
▽フラヴィニー テーブル No.504(1951)、ウィシャード医師のためのテーブル(1944)

▽引き出し付き折りたたみテーブル(1943)、スタンダードデスク(1942)

▽「シテ」本棚(1932)、「S.A.M.」テーブル No.506(1951)

▽キャビネット BA12(1950)手かけ板の端部テーパー処理など、らしさを感じます。

▽移動式脚立、自転車のデザインも。

▽スタンダードチェア検討の変遷

▽イージーチェア No.356(1955)通称:アントニーチェア

▽調整機能付き1人がけ学校椅子(1950)も特徴のあるデザインに

▽アルミ製建具、本物を見ることができて感激!

△精巧につくられた模型展示もいくつかありました。
▽原寸もあります。

▽仮設足場がほぼ不要となるフレーム、その組立て方が凄い!

▽F8×8 BCC 組立式住宅

プルーヴェの作品集(洋書)は今、高価なものも多く入手は以前より難しくなっているので・・今、思い返しますと24年くらい前に出版された洋書の大型本を頑張って購入しておけば良かったなぁと、少し悔やまれます。

ちなみに展覧会図録(2800円+税)は内容も素晴らしく、オススメです!

激動の20世紀に家具を多く生み出し活躍された、フィン・ユールとジャン・プルーヴェ。2つの展覧会を通じ、デザインは手仕事的な曲線のクオリティであったり、エンジニア的な視点で工業化を目指すなど、手段は異なりますが、それぞれ1点1点のプロダクトへ込められたエネルギーの凄さ・奥深さをあらためて学ぶ機会となりました。

blog category:展覧会等イベント視察
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2022-10-13 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

イチゴノキ

弊社で設計監理をさせていただきました「葉山の住宅/House in Hayama」に樹木が1本加わりました。

室内のリビングから緑がより多く見え、また外部からの視線も和らぐイメージに、とのクライアントのご希望で、樹木を見に圃場へ一緒に行ってきました。

写真は、横浜市神奈川区にあります「Furuya Plants」さんの圃場で樹木選びをした時の様子です。

今回のリクエストイメージに合いそうなのは・・
いろいろとアドバイスをいただきながら、最終的には、いくつかの樹種候補から「イチゴノキ」を選びました。

「イチゴノキ」は、イチゴのような果実をつけることからこの名で呼ばれるそうですが、もとは地中海地方・西ヨーロッパあたりに分布するツツジ科イチゴノキ属 の常緑樹です。近年、植栽用や園芸店でも出回るようになっているようです。
見た目は、幹に赤みがあり、剥がれやすい樹皮が特徴です。
常緑でかつそれほど大きくなりすぎないサイズ感、またデザイン的にも1つのアクセントツリーになると思われ、奥様も気に入ってくださいました。
同じイチゴノキを数本比較し、高さや樹形の良いものを選びました(写真右)。

後日、選定しましたイチゴノキを地元の「色葉造園」さんに植え込んでいただきました。
写真は植え付け直後の様子です。高さ1.8mのコンクリート壁を背景に、イチゴノキの赤みのある幹の色彩が映えます。その上部に常緑のグリーンというヴォリュームバランスでちょうど良く配置できたと思います。

ちなみに駐車スペースの左手に見えるアカシア・ブルーブッシュは、植込み後1年未満ですが、日当たり良好な環境で、ぐんぐんと成長していました。

お引き渡し後、植栽の変化を拝見しますと、場所・ご家族の雰囲気により馴染んで見え、植栽の計画やメンテナンスも家づくりの大きな楽しみの1つであるとあらためて感じました。

blog category:葉山の住宅
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2022-10-09 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

GLITCHI COFFEE @9h NAGOYA

先週末、新幹線運休により思いがけずしばらく名古屋で過ごすこととなり・・
以前より一度行ってみたいと思っていたカフェ「GLITCHI COFFEE/グリッチコーヒー」さんに足を運んでみました。
運良く混み合っておらず、窓際のカウンター席の 電源+WiFiも使用できる環境で静かにひと時を過ごすことができました。

場所は、名古屋駅から徒歩5分ほど、スタイリッシュなカプセルホテル「nine hours/ナインアワーズ」の1階にあります。

コーヒーは、スペシャルティコーヒーを専門に提供するお店です。ライトローストのトップオブトップと呼ばれる、コンクールでも高評価な、かなり希少な豆を使っているそうです。一般的なコーヒーと比べますと、かなりフルーティな香りを楽しめ、ラインナップも充実しています。
コーヒーの温度により風味が変わるので、それも楽しんでくださいとご説明をいただきました(ちなみにコーヒーのおかわりは、200円引きとなります)。

またこの建築(nine hours NAGOYA)の設計は、芦沢啓治建築設計事務所によるものです。実は以前、見たいと思って1度だけ宿泊利用でナインアワーズNAGOYAを利用したことがありました。


ただその時は、朝早く移動する予定でしたので、1FにあるGLITCHI COFFEEさんは営業時間外でした。今回は、ゆっくりとカフェのみ利用させていただき、コーヒーと建築の見学ができ良い経験となりました。

外部のベンチもシンプルな造形ながら、しっかりとデザインされており流石です。カフェの床もコストを抑えながらコンクリートに白い骨材を使用しているようで、見せ方のアクセントになっています。

以前宿泊利用した際に、建築のスナップ写真も撮っていましたがブログにはあげていなかったと思いますので、カフェの話題に加えておきます。最上階には宿泊者が使えるラウンジ空間があり、名古屋の朝の景色を10階から眺めることができます。

空間に合わせ、スチールでオリジナル照明器具を製作(上下配光となっていました)するなど、芦沢さんらしい設計を私なりに各所で確認できました。

個の機能を最低限に、少しでも共用部をゆったりと充実させる「空間のメリハリ」が実感できる建築だと思います。
名古屋で宿泊をされる際に、建築にご興味のある方は一度利用されてはいかがでしょうか。

blog category:建築視察
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2022-09-26 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

2022年 秋学期

2022年度の秋学期がはじまりました。
毎週金曜は、中部大学(愛知県春日井市)で1限から講義を担当しますので、早朝より向かいます。

この日は雨。
移動に距離があるため電車の遅延などに備え、早めに移動していますが、特に学期の初めは通学の学生さんで混雑しがちなため、さらに余裕を持って大学へ。
雨で気温も低めの朝、少しづつ秋の気配を感じながら、大学キャンパスを少しばかり散策。普段講義で利用する棟とは違う、前職で設計に関わった他学部の建物も久しぶりに見ました。


下の写真は、現代教育学部 70号館のエントランスロビー。
基本設計時に模型を作ってスタディしていた頃が思い出されます。

本題の授業については、午前中の初回担当座学を無事に終え・・
引き続き午後も、建築デザイン(設計演習)の指導担当で夕方まで同大学にお世話になります。
今季の設計演習は、前年度と指導体制を少し変え、常勤の先生3名と私を含む非常勤講師5名という指導メンバーでスタートしました。
ご一緒する先生方・学生さんと共に、ポジティブな授業の雰囲気をつくっていけるか楽しみです。

blog category:大学・教育
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2022-09-23 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

SUEP.展

都内港区南青山のギャラリー間で9月11日まで開催されていました展覧会、
末光弘和+末光陽子 / SUEP.展「Harvest in Architecture 自然を受け入れるかたち」へ行ってきました。

3Fの展示では、自然環境にある風・熱・水などの働きをシミュレーションするスタディの様子がうかがえます。SUEP.さんの思考は、ボックス型の展示台ごとにいくつも表現されています。

どの手法も、非常に高いレベルで緻密な検討案の紹介でした。
半球状の透明なドームで太陽の動きを目視でチェックできるものは「太陽模型」と命名されていました。

壁面に沿って、プロジェクトの断面模型が用意されています。地面との関係が可視化されます。

この展覧会のために中庭で製作された「Shading Dome」も造形・素材・構造・温熱環境・雨水の流れ・・とかなり手が込んでいます。

原寸のモックアップ展示もあり、迫力とデザインの緻密さを感じます。

SUEP.さんが考える、建築が地球とつながること、そして未来を切り開いていく設計姿勢に触れ、とても勉強になりました。

展覧会は混雑回避のため事前予約制でしたが、会期中に何とか見ることができてよかったです。

blog category:展覧会等イベント視察
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2022-09-22 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

土地探し

新築住宅のご相談で、土地探しからご協力させていただくこともあります。

候補の土地をクライアントと一緒に視察し、周辺の環境や建築法令上の見通し、土地の販売価格と建築可能な規模のご予算バランスなどを土地を取得される前に設計者としてアドバイスさせていただきます。そのようにプロジェクトのアウトラインを定めていきますと、ご希望の建築条件に近づいていくと思われます。

先日も、条件の異なるいくつかの土地をクライアントと視察してきました。

一般に平坦地で整形な土地は、どんな建築事業者(設計施工の工務店、ハウスメーカーさんなど)でも標準的な基本住宅プランがおさまりますので、問い合わせの動きは早いと思います。
また一見、条件が悪そうに見えて土地価格が低く設定されているものでも、設計者と共に慎重に建築の条件等を検討できれば、可能性が広がることもあります。

その街での暮らしをあれこれ想像しながら、どんな土地が良いか、また事前に予想もしていない土地に巡り合ったり・・
家づくり初期の土地探しは、難しくもありますが、同時に期待も大きく膨らみ、楽しいプロセスともいえます。

blog category:etc.
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2022-09-21 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

続 越後妻有 大地の芸術祭2022

前回のブログ「越後妻有 大地の芸術祭2022」の続きとして、他のアートワーク、同じ施設「越後妻有 里山現代美術館 MonET」内で鑑賞できる3作品についても触れたいと思います。

1つは、「Force」という作品。2021年の新作です。
アーティストは「名和晃平」さん。

黒いシリコーンオイルの液体が多数の糸状となり落下し続けています。床面は黒い池のようになっており、糸が液体の面に接する部分で、その僅かな流れがじわじわと動めいています。
静かに、重力が視覚化されるようなインスタレーションです。

この作品は、離れて見る全体も、近づいて見る細部も非常に美しく表現されていました。
粘性があるシリコーンオイルの動きは、水などの液体が流れる速度よりじっくり時間をかけて流れ落ちるだけでなく、雫状にならず糸のように見えます。その動きは、ぱっと見ただけではわからず、池状の面に接する部分でようやく視認されることに。
物質の落下運動がスローモーションで示されているようでもあり、またオイルの微細な動きは飛び散ることもなく、無音でいつまでも続きます。
時間や空間を違った切り口で見せているような作品でした。

展示のディテールも空間(床、壁、天井、自然光、人口照明)に対し、とても注意深く作品が作り込まれている気がしました。

もう1つは、「Palimpsest:空の池」2018年の作品。
アーティストは「レアンドロ・エルリッヒ」さんです。
レアンドロさんは、金沢21世紀美術館にある「スイミング・プール」をはじめ、国内外で建築空間と一体となる注目作品を数多く製作されています。

この日は曇天でしたので正直なところ「ちょっと残念だなぁ」という気持ちもあったのですが、この作品を体験する天候としては、むしろ良かった気がしました。

池を囲むRC造の大きな回廊空間が特徴といえますが、レアンドロ・エルリッヒにより池の床面には、空と建築の鏡像の絵が貼りこまれています。建物2階の指定ポイントからこの作品を見ますと、描かれた像と建物の水に映る像がぴったりと重なり合います。

紹介した写真は、曇り空なのに、池に映っているのは青空?という不思議な状況が生まれています(池の床面は、晴天時の絵のため)。
この景色は、晴天時には見られない曇天ならではのものだと、楽しめました。

1階から見ますと、浅い池の床面に絵が貼り込まれたグラフィカルな状況がよくわかります。

この池には、30分ごとに霧が発生します。
子ども・大人問わず、池には裸足になり入って楽しむこともできます。

この霧は作品「霧神楽」、2022年の新作です。
アーティストは「中谷芙二子」さん。
人工的な装置によって霧を発生させてつくられる作品は、「霧の彫刻家」や「霧のアーティスト」と呼ばれる作者の代表的なシリーズで、1970年代から世界各地で発表を重ね、大きな反響を呼んでいます。

<以下ガイドブックより/中谷芙二子さんのコメント>
「霧の彫刻」は、大気が鋳型となり、風が彫刻刀となって、刻々と変化する環境彫刻です。たゆたう霧が見え隠れする風景を生み出し、様々な境界を反転させるこの彫刻のことを、Negative Sculpture と呼んでいます。
「空の池」は、L.エルリッヒの真骨頂=逆転の論理=の極みです。この空間を体感したとき、逆転の発想の中に見え隠れする作者の自然に対するリスペクトに共振し、神聖さを感じました。と同時に、固定観念を外す逆転の軽やかさに目を見張りました。私は「空の池」の空間に「霧の彫刻」と響き合うものを感じています。

こうしたサイトスペシフィック・アートは、当然ながらその場所へ足を運ばずには体感できません。また同じ作品であっても訪れる季節や時間、鑑賞者の意識・視点が変われば、その時々で異なる感覚が得られるのだと思います。

優れた芸術作品に出会いますと、作品は異なっても多様な価値観をおおらかに受け止めてくれるような懐の深さ、それぞれに愛情のようなものがにじみ出ていると感じます。

<補足>
建築は、原広司+アトリエ・ファイ建築研究所の設計で、2003年につくられた「越後妻有交流館・キナーレ」で、2021年に「越後妻有 里山現代美術館 MonET」に改修・改称されています。

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2022-09-15 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

越後妻有 大地の芸術祭2022

2022年の夏は、なかなか遠出も難しい状況ではありましたが、先日「越後妻有 大地の芸術祭2022」のアートワークに触れることができました。この芸術祭では複数の展示エリアで数多くの作品を巡るかたちで鑑賞できるのですが、今回はピンポイントで新潟の十日町にあります「越後妻有 里山現代美術館 MonET」に行ってきました。

そこで印象に残った作品を1つ、写真でご紹介します。

「movements」という2021年の新作。アーティストは「目」です。
無数の小さな時計を、ムクドリの群れのように配置したインスタレーション。

近くで見ますと、1つ1つはこのような時計で、個々の小さな時計は全て針を動かしています。

個々に回り続ける回転運動と、それが展示空間に広がる不思議な全体像、その空気感・・

製作・展示のディテールも繊細で美しく、感服します。観る者の視点が変われば、そのイメージも様々に変化するような素晴らしい作品でした。(他の展示を見た後、鑑賞者が少ないタイミングを見計らって、もう一度この作品を見てしまいました)

私たちの建築設計では、建築・空間を使いやすく機能を満足するよう立案し、性能・コストのバランスを調整しながら部分と全体を美しくまとめることを心がけています。そのように合目的的につくられることは当然必要なのですが、さらにその合理性の先にある何か、建築の存在に多様な解釈・イメージが生まれるようなものにできれば・・という想いもあります。

「大地の芸術祭2022」のアートワークに触れ、あらためてそんなことを思い返してみました。

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2022-09-07 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

ビッグパレットふくしま

週末、イベント「建築家展」にお声掛けいただき、福島県郡山市「ビッグパレットふくしま」へ行ってきました。


建築関係者ではご存知の方も多いと思いますが、「福島県産業交流館/ビッグパレットふくしま」(1998年)の建築設計は「北川原温建築都市研究所」が手がけられ、日本建築学会賞作品賞も受賞されました。北川原先生の代表作の1つと言えます。
何度見ましても、ものすごいエネルギーをかけて出来上がった建築だと思います.

イベント会場、1Fコンベンションホールの展示風景です。
非常に大きな空間を持つ施設「ビッグパレット」の中では、これでも小さな部屋となります。

福島エリアで開催されます建築イベントにhm+architectsとしては、はじめての参加となりましたが、イベント時には、前職で設計担当しました同県にあります「白河市立図書館」、群馬県の「群馬県立館林美術館」をご存知の方も多く会話も広がり、楽しい時間を過ごすことができました。
このようなイベントを機に、また福島へ足を運ぶ機会が増えると良いなぁと感じました。

ちなみに私(伊原洋光)が学生時代、北川原温建築都市研究所にオープンデスクで2週間お邪魔した時は、コンペで最優秀賞に選定されたこの「ビッグパレット」の実施設計中でした。事務所内では様々な模型・CGのスタディが進行し、また所員の方々の気合いも相当なものがあり、当時とても刺激をいただきました。
それから時間は経過しましたが、今回「ビッグパレットふくしま」を会場とするイベントに参加できまして、それだけで何だか少し嬉しい気分にもなりました。
また、「白河市立図書館」のコンペ時には、北川原温先生が審査員のお一人であったことも、ひょっとしてご縁のようなものがあったのでしょうか。白河市立図書館の竣工後には、第一工房代表の高橋さんが北川原先生をご案内する機会がありましたが、図書館を見ていただいた後、昼食に、白河ラーメン「とら食堂」へ行こう!と高橋さんがお誘いし、私もご一緒させていただきました。スタイリッシュなファッションの北川原先生と「とら食堂」のコントラストがとても不思議な光景で・・印象深かったです。
「ビッグパレットふくしま」を訪れ、学生時代と前職でのエピソードなどが思い出されました。

イベントでお世話になりました関係者の皆さま、2日間いろいろとありがとうございました!

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2022-09-05 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

上野東照宮神符授与所・静心所

2022年に新設されました「上野東照宮 神符授与所/静心所」へ行ってきました。
建物は、重要文化財である上野東照宮社殿に向かって左手に位置し、奥参道と庭、そこに神符授与所と静心所が新設されています。

 設計:中村拓志&NAP建築設計事務所
 構造設計:山田憲明構造設計事務所

入り口となります「神符授与所」は、外観にも表現されています格子天井フレームが印象的です。

これは、東照宮の透塀「二重菱格子」をデザインのモチーフにしているとのこと。

「神符授与所」の奥に進み「静心所」へ。
御神木である樹齢600年以上の大楠を見て、心を落ち着かせる場所。
社殿へと向かう動線として、根への負担を考慮し、御神木を迂回するような形で新たに壁に沿う回廊式の参道が作られています。

回廊の壁には1箇所、穿たれた開口があり、銀杏の切り株が見えます。
社殿を守る防火樹として存在していた銀杏の大木は、内部が空洞になるほど腐朽し伐採せざるを得なかったとのことです。この材が「静心所」の屋根に利用されています。

小径材をずらしながらコノイド曲面状に配置し、繊細なスチールフレームの架構計画と絶妙なバランスを保つ造形が実現しています。

平日の午前中、拝観者の少ないタイミングで静かに建築を見ることができました。

ちょうど数日前には、JIA 関東甲信越支部住宅部会主催のオンラインセミナーで構造設計者の山田憲明さんの解説を聞く機会があり、隠蔽部となる建物のストラクチャーの工夫なども理解でき、幸いでした。

小規模ながら、設計者・施工者・関係された方々の想いが込められた秀逸な建築だと感心しました。

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2022-07-18 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

道具

先日、某現場の立会いで非常に大きな「スパナ」を見ました。

一般的な工具として「スパナ」のイメージは、ハンディサイズのものしか知らなかったのですが、こちらは長さが1mを超えるほどでした。持ち上げるのも一苦労する重さのようで、持ち手が2カ所作られていました。現場では主に、打ち込まれた鋼管の回転・固定をする際に使用していましたが、道具として20年以上は使われているそうです。

「仕事は道具」という言い方もあります。
良い仕事をするには、良い道具、適したアイテムがなければ求めるモノづくりができないということだと思います。
特に建築・土木の建設現場では、物理的に大きなものを製作しかつ精度も求めれるため、特殊な重機や専用の道具が必要になります。木造建築の大工道具なども昔から大切に扱われますし、内装や家具工事、電気や給排水などの設備工事でも、それぞれ専用の道具がなければ工事が正確に進められないと思います。どの工種でも、最適化された道具が用意され、それを使いこなす職人さんの技術があってはじめて建築が出来上がっていくため、現場はどのフェイズを見ても何かと発見があり、楽しいものです。

現場の前、設計の段階で私たちが図面や模型を作成する場合でも、パソコン・CADソフト、諸々の道具は必須となっています。今後さらなるデジタルツールの発達・進化、AIの活用なども進んでいくでしょう。住宅規模の建築であれば、もう実際に3Dプリンターで出来上がる時代になっています。

道具(ツール)は、目的を達成する手段として工夫が重ねれられ、合理化が進みます。当然、時代と共に大きく変化するもの、必要とされなくなる道具もあります。
建築を設計する立場としては、進化する便利なツールを使いこなすことも必要ですが、その手前のところで「そこに何をどう作るべきか?」という目的をしっかりと考えることが、今まで以上に重要になってくるのかなと、漠然と感じているところです。

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2022-07-07 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

田園都市建築家の会 6/12(日)家づくり相談

「田園都市建築家の会」6月12日(日)の家づくり相談 は、hm+architects 伊原洋光 が担当します。

田園都市建築家の会では、家づくりに関する様々なご相談を無料でお受けしています。たまプラーザの「家づくりカフェ(相談・打合せスペース)」にて皆様のご来場をお待ちしています。

日時:2022年6月12日 10:00〜17:00
  (現在 14:00〜16:00については、打合せ予約がございます)
場所:横浜市青葉区美しが丘1-12-3 第7松美ビル201

↓6/12 詳細はこちら
https://www.denen-arch.com/post/10896
お気軽にお問い合わせください。

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2022-06-09 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

敷地から

建築設計事務所への最初のお問い合わせは、どのタイミングで行うのが良いのか判断しにくいという方もいらっしゃるかもしれません。

実際のお問い合わせは、敷地や建物へのご要望、ご予算感を含めた諸条件を定めつつある段階でお話をうかがうことが多い印象ですが、弊社では、ご計画内容がしっかりと定まっていない状況からでもご相談をお受けしています。

土地のご購入前、または複数の候補地をお考えのタイミングでご相談の場合、まずは候補となる敷地を一度見させていただくなどして、その土地の持っている優位性や懸念事項について、できるだけ客観的な見方でアドバイスを差し上げています。

定められている建築法令制限、土地+建築のご予算のバランス、クライアントのご要望と周辺との関係から予想される建築計画の可能性、作業等の見通しなどをお伝えしますと、大凡の方向性が共有できると思います。

ご希望のイメージと現実的な諸条件との調整をどのように解決していくのか、そのあたりが徐々に見えてきますので、次の具体的な検討へと移行しやすくなると思います。

冒頭の「設計のお問合せのタイミングをいつにすべき?」
という点については、実際のところ決まりがある訳ではありません。

設計を進めていくプロセスでは、一般に多くの調整事項があり、それらを一つ一つ解決していくこととなります。

そのため、計画地でどんな案が実現するのか?が最も気になるところですが、誰と一緒に計画を進めていくか?という視点で、信頼できる「設計者」を決めていただき、条件整理を含めた検討を進められますと、より充実した建築が実現していくと思います。

先日、少し遠隔地ですがご相談があり、一度敷地を見させていただきました。そこから北側に見える景色が素晴らしく、特徴のあるフォルムの樹木が心に残りました。

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2022-06-02 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

跳ね馬と駒打ち

先日、新潟・上越へ家族で出かけてきました。
写真は、上信越自動車道の新井PA(下り)からの1枚です。
画像の中央やや左に「妙高の跳ね馬」と呼ばれる雪形が見えます。

「跳ね馬」は、妙高山(2454m)の北側にある、外輪山のひとつ神奈山(かんなさん/1908.9m)の北東側中腹に出現し、頸城平野一円から見ることができる雪形で、4月中旬〜ゴールデンウィーク頃に確認できるとのことです。道中、ちょうど天気にも恵まれ見ることができました。

新潟へ向かった目的は、しばらく顔を出せていなかった新潟の両親に会いにいくことと、義兄の管理する山で倒木に「ナメコの駒打ち」体験を娘にさせようというものです。実際は、自分が一番その気になっておりましたが・・

倒木は、かなり大きなものもありますが
今回は主に作業しやすいサイズにカットしてもらった木にナメコの種駒を打ち込む「原木栽培」を行います。

↓天然ナメコの収穫については、はじめて体験した2019年に以前のブログで紹介させていただきましたが
https://hm-a.jp/natural-nameko-picking/
駒打ちして栽培するのは、初めてのことで、期待が膨らみます。

まずは電動ドリルで駒打ちのための穴あけを行います。
娘はドリル作業が楽しい様子。
これは、サクラの倒木です。

次に、菌たっぷりの種駒(市販のもの)を1つひとつ、あけた穴に押し入れ、ハンマーで打ち込んでいきます。
打ち込みの間隔は、15cmくらいを目安に。
針葉樹でなければ、いろいろな樹種で栽培できるようです。

「サクラ」、「クリ」をメインに、少し珍しい樹種で「コシアブラ」、「シラカバ」にも打ってみます。
最終的に、駒の数を合計1000個くらい打たせてもらい、作業を終了。
収穫はこの秋ではなくもう1年先の秋になりますが・・今から期待が膨らみます!

GW明けから早いもので、気がつけば5月も残り10日ほどですね。
ひと時の自然の癒しをいただいて、新規のご相談も、継続プロジェクトも張り切って取り組んで行きたいと思います!

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2022-05-18 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

九段ハウスにて

先月末(4月29日)まで、東京都・九段下の「九段ハウス」(1927年竣工)で開催されていました展覧会「フリッツ・ハンセン 150th – タイムレスデザインの証」にご案内をいただき、足を運んできました。

創業150年となるデンマークを代表する家具メーカーのフリッツ・ハンセンの展覧会です。ポール・ケアホルム復刻版の新作アイテムもここでお披露目、世界初公開とのことです。

会場は、九段下の駅から徒歩5分ほどのところに静かに佇む「九段ハウス」です。この建築を少し調べますと・・
小間物商で財を成した山口家5代目山口萬吉の私邸として建てられたRC造、地上3階・地下1階のスパニッシュ様式の洋館。構造を東京タワーや通天閣などで知られる「耐震構造の父・塔博士」内藤多仲、意匠を木子七郎のほか今井兼次、吉田鐵郎、家具や建具を梶田恵という錚々たるメンバーが手掛けたとのこと。
戦災を逃れ、登録有形文化財となっている建築です。
そのような特別な建築を会場とするところも、歴史のあるフリッツ・ハンセンの展覧会にぴったりな感じです。

ホールから階段を上がると、手の込んだデザインの手摺越しに2階和室が見えてきます。

150周年を記念し、ポール・ケアホルムが手がけた初期の頃のデザイン「PK 0」と「PK 60」が復刻アイテムとして発表されていました。
和室の掛け軸は、「PK 0」のドローイングです!

以下、地下1階〜3階・屋上・庭・ディテール・素材など
写真(4/22:伊原洋光、4/27:伊原みどり 撮影)を紹介します。

時間をかけてじっくりと見たいと思う、素晴らしい建築と展覧会でした。

blog category:展覧会等イベント視察
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2022-05-01 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

建築のリテラシー

通常業務の建築設計実務と併せて行っています大学の非常勤講師の活動もこの春で8年目を迎えます。
今年度は2つの大学(愛知工業大学 建築学科で2講座、中部大学 建築学科で3講座)で授業を担当します!

4月、新年度の授業がはじまりました。

先日、愛知工業大学で初回の授業を行ってきました。

遠隔地ですが、午前中に座学を1コマ、午後に設計演習を3コマ行うという、ダブルヘッダーの1日となります。

午前中、大講義室での座学は「建築ディテール」という授業。新型コロナウィルスの心配はまだ続きますが、座席間隔をあけて座っていただき、通常の対面形式で行います(開始前に講義室の写真を1枚パチリ)。

昨年、遠隔の動画配信の授業形式も経験しましたが、やはり履修者の学生さんの顔が見えるかたちで授業を進める方が話しやすいですね。ちなみにネットでは、コロナ禍で遠隔授業を経験した学生さんが対面授業になった際、受講態度に困惑している大学が多数あるという記事を目にすることもありまして・・正直なところ少し心配もありました。しかし初回授業を終えてみると、90分間とても静かに聞いてもらえて、ホッとしました。数年経験しても、初対面の学生さんたちがどんな雰囲気なのかちょっと緊張感するものです。

そして午後は、建築学科3年生の設計演習。いわゆる設計製図の課題、デザイン全般の指導です。
合計150名ほどの学生さんを6名の先生(大学常勤2名・非常勤4名)グループに分け、一人一人の学生さんと対話をしながら指導を進めています。学生さんそれぞれの個性を尊重しながら夕方まで5時間近く続けて設計指導をするのは、指導者にもかなりのエネルギーが必要で、体力・集中力を試されているかのような・・

ただ大変な中にも、学生さんとのやりとりでハッとさせられること、刺激をいただくことは多々あります。指導する立場になってあらためて基本事項を自分で学び直すことにもなったりします。

これから建築界で活躍していく学生さんが、座学でも設計演習指導の授業でも、建築に関する知識を多く詰め込むだけではなく、私がこれまでの設計実務で実感した、重要ポイントをしっかり伝えられたら幸いです。過去に比べて、建築に関する表面的な情報がインターネットやSNS上では増大していると思われますが、そんな中でも建築を正しく理解し、つくり上げることができる総合的な判断能力を身につけて欲しいものです。

一般の方がはじめて家づくりを経験される際にも、建築設計者は建主さんと共に「建築のリテラシー」を高めていける存在でありたいと感じています。大学非常勤講師での活動が、実務設計にも良いフィードバックをもたらす好循環を生み出していると信じ、取り組んでいます。

blog category:大学・教育
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2022-04-18 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

「都市デザイン横浜」展

先日、横浜市の都市デザイン50周年を記念した展覧会
「都市デザイン 横浜」展 〜個性と魅⼒あるまちをつくる〜
を観てきました。

会場:BankART KAIKO
(横浜市中区北仲通5-57-2 KITANAKA BRICK&WHITE 1F)
会期:2022年3月5日〜3月29日→4月24日まで延長されています
https://toshide50.com

会場に入りますとはじめに、壮大な都市模型(縮尺1/1000)が目に入ります。
(ベースの模型製作は森ビルさんのようです)
この模型で都市全体を俯瞰しますと、何故か普段は意識しないような少し大きなスケールで物事を想像したくなります。
大きな事業を考えているクライアントと一緒に模型を見たら、気持ちが高まりそうですね。

展覧会場で紹介している、これまでの都市デザインの変遷、デザイン手法などは、展覧会図録にまとめられていますが、入場時に図録(3,000円 税込)を購入すると1名の入場料(700円、横浜市民500円、学生300円)が無料になります。
カラーで350ページという展覧会図録で、充実した資料になっています。

会場には横浜市役所(8代目市庁舎)の模型展示もありました。
縮尺:1/300、設計監理:竹中工務店・槇総合計画事務所・NTTファシリティーズ

展示を見た後、すぐ近くに建つこの新市庁舎を実際に立ち寄ることも容易で、異なるスケールの模型と実物の建築を体験できるのも興味深いです。

少し歩きますと、昨年出来た「YOKOHAMA AIR CABIN」も見えます。
動きがあって、横浜の都市景観の変化や活気を感じますね。

ゴールデンウィークに参加予定の建築イベント会場となっています「ランドマークタワー」と「YOKOHAMA AIR CABIN」を重ねた写真も撮れました。

模型と実物の建築、情報量の多い図録と、都市・建築の勉強になる展覧会でした!

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2022-04-10 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

event/建築家展(静岡・浜松 2022.04.23-24)

2022年4月23〜24日に開催されます建築イベントにお声掛けいただきました。
(建築家との家づくりをサポートしています、アーキテクツ・スタジオ・ジャパン主催のイベントです)

開催日時:
4/23 (土) 10:30〜18:00
4/24 (日) 10:00〜18:00

開催場所:
サーラプラザ浜松 4F・ホール
静岡県 浜松市東区 西塚町200番地

関東、関西、中部地区から、建築家8名が参加します。
全日程とも 入場・相談無料のイベントです。

建築家との家づくりにご興味ある方は
是非一度、この機会に足を運んでみてください。

↓イベントの詳細は、こちらをご参照ください。
https://events.asj-net.com/events/15511

blog category:出展イベント
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2022-04-09 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

E2A 展覧会「Methodologies – スイス建築の方法論」

スイスの建築設計事務所・E2Aの建築作品とその建築思想を紹介する展覧会「Methodologies – スイス建築の方法論」に行ってきました。

都内にあるスイスブランドのショールームまたはストア・計4カ所にて同時開催されています。
会期は、2022年3月18日〜4月7日ですが、その内の2会場に、終了する前に足を運ぶことができました。

E2Aは、スイス出身の建築家の2人、ピート・エッカート(Piet Eckert)とヴィム・エッカート(Wim Eckert)の兄弟が、2001年に設立した建築設計事務所。国内外のコンペティションなどで勝利を収め続けるなど、スイス建築界でも注目されている事務所の1つです。

会場1:USMモジュラーファニチャー ショールーム
所在地:東京都千代田区丸の内 2-1-1 丸の内 MY PLAZA

2階が展覧会場となっています。

本展覧会用に、3Dプリンターで製作された模型と
水平設置のパネル化された図面。

展覧会では、抽象性と現実性という相反するテーマが掲げられています。

抽象化された3Dプリンターの模型については、コンセンプトをわかりやすく示す一方、細部については不明です。また実施設計図面は「コンセプトを現実へと運ぶ乗り物とも言える」との解説もありました。
これらの異なる建築ツール、メディアを同調させながらデザインを決断していくところが、設計作業において重要なポイントになるというメッセージなのでしょう。

会場2:クリエーションバウマン ジャパン 東京本社ショールーム
所在地:東京都港区南青山6丁目3-3

吊るされた展示形式の写真パネル、表面(抽象性)と裏面(現実性)。


図録も購入。
各ページレイアウトも美しいです。

正直なところ、まだ展覧会で示されたメッセージを十分に読み取れたとは言えませんが、展示会場の設定から展示の形式と内容、図録まで、すべてにおいて非常に精緻に検討された結果であると強く感じました。

2会場の訪問でしたが、刺激をいただく素晴らしい展覧会でした!

↓展覧会の詳細は、こちらを参照ください。
http://js-aa.org/event003.html

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2022-04-06 | Posted in diary, index, blogNo Comments » 

 

田園都市建築家の会 第7期理事会

所属建築家として活動をしています一般社団法人「田園都市建築家の会」の第7期理事会が発足しました。

新理事メンバーで地元の横浜市青葉区にあります驚神社にて商売繁盛の祈願をしてきました。今年はちょうど桜が満開で清々しい日でした。
理事会としての活動は、早いもので第5期から継続して3年目を迎えることとなりとなります。特に先期はコロナ禍で十分な活動ができなかったこともありますので、重責を感じながらも何とか明るい話題が多くなるよう会を盛り上げていきたいです!

メンバーは写真の左から、当山さん、臼井さん、(神社の方)、私、高橋さん、あと写真を撮影されている遠藤さんの計5名です。

1年間どうぞよろしくお願いいたします!

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2022-03-30 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

蒸気霧

「三寒四温」という言葉は、本来は中国(東北部)で冬季、寒い日が3日ほど、そのあと4日ほど温暖な日が続き、また寒くなるというように7日周期で寒暖が繰り返される現象を指すとのことですが、日本では春先に使われることが多いと思います。

このところ暖かさも増し、街のあちこちで桜の花も膨らんでいます。
しかし春の兆しが感じられる中、今週は急に寒さが戻る日もありました。

先日、吉祥寺・井之頭公園に足を運ぶ機会がありましたが、その日は、みぞれ交じりの雨でかなり寒く、池には一面に湯気が立ち込めていました。
この光景は?と後で調べてみると、冷たい空気と水温が高めの時に起こる現象で「蒸気霧」ということがわかりました。

池の中のカモたちは、元気に潜ったり、むしろ楽しんでいるようにも見えます。水中の方が暖かいからでしょうか。

四季の変化、美しい自然現象を感じながら日常を過ごすことができる、日本の環境というのはやはり豊かなんだなぁと、感じるひと時でした。

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2022-03-25 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

田園都市建築家の会 3/20(日)家づくり相談

「田園都市建築家の会」3月20日(日)の家づくり相談 は、hm+architects 伊原洋光 が担当します。

田園都市建築家の会では、家づくりに関する様々なご相談を無料でお受けしています。たまプラーザの「家づくりカフェ(相談・打合せスペース)」にて皆様のご来場をお待ちしています。

日時:2022年3月20日 10:00〜17:00
場所:横浜市青葉区美しが丘1-12-3 第7松美ビル201

田園都市建築家の会では、具体的な設計ご依頼の前に、しっかりと検討したい下記の内容について日々様々なアドバイスを差し上げ「建築家との家づくり」をサポートしています。 是非ご活用ください。

・土地探し(エリア、価格、法令チェック、仮のプラン検討、進め方 など)
・資金計画(土地+建物+その他必要な費用、銀行ローン手続き など)
・建築家探し(建築家との家づくりの流れ、自分にあった建築家選び など)

↓3/20 詳細はこちらをご参照ください。
https://www.denen-arch.com/post/10648

毎週末(日曜日)につきましては、所属する建築家が「家づくりカフェ」にて「建築家無料相談」を開催しています。週ごとに担当建築家がかわり、皆様のご来場をお待ちしています。
また日曜日以外(平日のご相談)もご予約可能となっています。建築家または田園都市建築家の会ディレクターよりお問い合わせ内容にお応えいたします。お気軽にご連絡ください。

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2022-03-15 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

3年毎

本日、3年毎に受講しなければならない「建築士定期講習」を無事に修了いたしました。

建築関係者でなければ、この講習についてご存知ない方が多いと思いますので、参考までに補足しますと・・
「建築士定期講習」とは、建築士事務所に所属する建築士に対して法令で受講が義務付けられた講習です。建築士は、業務の実施に当たり必要となる能力を確実に身に付けておく必要があるため、3年度ごとに最新の建築関係法規等について習得する、というものです。
時期としましては、2008年に建築士法の改正があり、2009年度からこの講習の運用が開始されました。実はそれ以前は、一級建築士も二級建築士も資格を一度取得すれば講習や更新手続きもなく(変更の届け出や違反などなければ)永年保有する資格でした。
しかしながら、2005年に構造計算書の改ざんが発覚した「耐震偽装問題」が契機となり、建築士の専門家としての強い倫理意識が求められるようにました。最終的には業務を行う建築士に定期の講習を義務化することが法令遵守の厳格化につながるとされ、現在に至ります。

正直なところ、この定期講習がスタートした当時は、一部の建築士の不正事例によって、建築士すべての実務者に講習を義務付ける?という疑問もありました。
知人の建築士の中には、講習を「3年に1度の苦行」と表現される方もいます・・

講習の内容としては、講義を合計5時間+その内容確認の試験を1時間行うものとなっており、昼食の休憩を加えると都合7時間ほど必要です。指定の会場に出向いて丸1日かかりきりになってしまうため、それなりに疲れます。

この法改正があった後、建築士が最初に受講する時期については3年以内の猶予期間があったのですが、当時の私は何も考えずに初年度の2009年度に受講をしました。それから気がつけば今回でもう5回目の受講となりました(回数だけに着目すれば初年度に受講した建築士の方は、5回で最多となります)。

実社会では建築に関する話題は時代とともに変化し、様々な要請から建築法改正も行われていきます。そうした中、実際にこの定期講習を3年毎に受講をしてきますと、日常の実務作業に直接は関わらない話題などもあるため、これらをまとめて解説してもらえるのは実はありがたい状況だと個人的には感じるようになりました(賛否様々な意見はあるところですが)。
他の士業をされている国家資格で、こうした制度がない業界でも専門性を保つためにこうした制度があっても良いのかなと思ってみたり・・

私は今年度の受講は、コロナ禍で少し躊躇していましたが、結局3月の予約としました。ただし今回は以前とは異なり、受講の形式が選べるようになっています。従来型の形式に加え「オンライン形式」が選択可能になりました。事前に講義だけ動画配信で学習し、試験(修了考査)のみ指定会場で1時間受けるスタイルです。今回はそのオンラインとしてみました。

申し込み後、郵送されてきた講習テキストを参照しながら・・
視聴時間については小分けにすることも、自分の都合で深夜などに講義を聞くことも、暖かいお茶を飲みながらも可能です。また動画を戻してもう一度説明を聞き返すこともでき、自由度は高いです。

試験(修了考査)の会場は、以前利用したことがありましたので、新宿エルタワー17F(指定確認検査機関 ビューロベリタスジャパン)を選択しました。
「修了証」交付については、当日発行を事前に希望しておきましたので、1時間の考査後すぐに採点してもらい、待ち時間は10分ほどで無事に受取ることができました(あるいは後日の郵送希望かを選択できます)。
従来形式の受講も、その1日で全て終えられる時間集約の良さもあると感じつつ、オンライン形式を経験してみると、どちらかというと3年後の講習でもこの選択肢があったら、選ぼうかなという印象です。

そういえば、コロナ禍の大学の非常勤講師の担当授業では、学生さんから「オンデマンド方式の動画配信の方が都合良い」という意見と、「ライブ(対面)で先生の授業を直接受けた方がわかりやすい」という両方の希望があったことを思い出しました。
はじめて講義動画を作るのは大変なんだから・・と当時は思いましたが、利用者目線になると、確かに両方あるなぁと実感しますね。

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2022-03-03 | Posted in diary, blogNo Comments » 

 

New Project/模型づくり(その2)

前回のBlogでは、吉祥寺(東京都武蔵野市)での住宅プロジェクト「House in Kichijoji」について、初期のスタディで製作する敷地模型(縮尺1/100)についてお伝えしました。
今回は、詳細模型について触れたいと思います(ここでは縮尺 1/50 以上を詳細図面、詳細模型と呼ぶこととします)。

建築設計をする仲間に聞いても、住宅の設計での模型は、縮尺 1/100 あるいは 1/50 でスタディすることが一般的だと思います。1/100、 1/50 の縮尺はともに、設計の図面で用いることが多いため、図面・模型で縮尺を一致させるメリットもあります。
ただし、1つ模型を製作した後は、図面でしっかり検討して進め、複数の模型をつくったりしないケースの方が多いかもしれません。

仮に1/50模型の場合、1/100に比べ長さが2倍、面積的には4倍の大きさのものを製作することになります。計画建物の規模にもよりますが、模型のサイズ的には机上で扱いやすく、内部空間のイメージも理解でき、何かと都合が良いところがあります。

私が考える詳細模型の主な目的は
1)スタディのため(設計者の検討を詳しく進める上で必要な素材)
2)説明のため(クライアントに建物イメージをより具体的に示す)
だと感じますので、縮尺が変わっても前回のBlogと項目としては同じですが、確認し、伝えたい内容はより具体的になってきます。

基本的に、模型はどんな縮尺であってもそれぞれ設計の検討作業では有効だと思います。空間や部材のプロポーションを考える時も、肉眼で立体的に確認できる(CGなどで透視図的に見るのと少し違いもあります)ので便利です。また模型に自然光に当てて見ますと、物理現象としては実現する建築の光環境とほぼ同じで、嘘はつけません。詳細模型は、敷地全体の模型よりも建築内部、細部の臨場感が増してくるところが大きな魅力です。

詳細模型をつくろうとすれば、当然内部・外部の見え方・おさまりをどうするか、設計で具体的な寸法や材料の取り合いを設定していかないと、作業は進めにくく・・このスタディによって、その案が抱えている課題、デザインの方向性なども確認できます。

写真は、縮尺 1/30 で製作した模型です。
1/100模型と比較すると長さ約3倍、面積的には9倍の大きさになってきますので、 1/50 サイズより当然ながら大きくなります。
詳細模型は、建物のみを表現することも多いのですが、本計画では敷地が40坪ほどでしたので、建物と一緒に敷地境界内は全て製作しました。敷地・建物のレベル差の説明など、よりわかりやすくなります。

外構のガレージ出入り口まわりについては、坂道となる前面道路に取付くため土間コンクリートで3次曲面的な表現になりますが・・
模型では、ねじれ面を何とか擦り合わせながら、まずまず精度も良く完成イメージがわかるように製作できました。1/30程度になると、1/50模型より実寸が大きいので、こうした細かな検討部分・表現では、かえってつくりやすくなることもあります。

内部の検討のため、通常は各フロアごとに製作し、インテリアのイメージも理解できるようにします。
模型としては、どこで分割し(外すことが出来て)見えるようにするのか?
など考えながらつくるのですが・・そこは建物ごとに悩むところです。
製作中は、頭の中で想像するイメージが、徐々にモノ(模型)として見えてくる中、手で組み上げていくことで、頭と目と手が全て連動していくようなところが模型スタディの楽しいところなのかなと感じています。

また建築の一部分(階段や開口部まわり、庇など)だけを検討する際に、1/10や、原寸の1/1まで検討・製作することもあります。
過去には、ディテール確認のための模型を考える際、原寸だと模型が大きすぎて製作も大変になるから 1/2 くらいにしようと考えてつくったこともあるのですが・・すごく精巧につくったものの、不思議なことにサイズ感がつかめない、結果的にほぼ使えない模型になったという苦い経験もあります。

模型の縮尺については、ジャッジする際に設計者の身体感覚に合うものでないとうまくいかないものだとすると、結構繊細な話題ですね。

長い期間(20年以上)慣れ親しんだ、こうした模型によるスタディは、設計を進めていく上で私たちの肌に合っているのかな?と思っています。

前職まで振り返りますと第一工房時代、模型をつくる速さはそれほどでもなかったと思いますが、自分としては精度良くつくることを毎回心掛けていたからか、入所後数年間は、複数のプロジェクトチームで図面より模型をつくる作業を多く経験させていただきました。建築専門誌に掲載されるプロジェクトの模型を、頑張ってつくったりもしました。
単純に模型をつくることは好きでしたが、スタディ時の模型が綺麗に出来る(図面が美しいことはさらに重要ですが)プロジェクトは、結果的に実際の建築も美しく完成するように感じていました。その感覚は、独立後の今でも残っています。

それから模型を収納する「箱」も模型の保管や運搬にとってはかなり重要です。個人的なこだわりとして、箱も模型とあわせて出来るだけ丁寧につくることを心掛けています。

設計のご相談をいただいてから最初に案を作成する時というのは、設計者は知的創造力をフルに働かせ、様々な条件(クライアントのご家族構成や建築への想い、ご予算、敷地の周辺環境、建築の法規制など)を総合的に調整する能力が求められます。
設計者のアイデアが形となる、模型スタディ。
設計の初期から終盤まで、なかなか他の手段に置き換えにくいものかなと思いながら・・
クライアントのご要望を盛り込み、少しでも良い建築が実現するよう、それぞれのプロジェクトで愛情を込めて模型づくりをしています。

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2022-02-24 | Posted in diary, blogNo Comments »