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堀部安嗣展「建築の居場所」
TOTOギャラリー間で2017年3月19日まで開催中の「堀部安嗣展 建築の居場所」へ行ってきました。
20余年にわたり、住宅をメインにゲストハウスなどの設計を手掛けられています建築家・堀部安嗣さんの個展です。
会期もあと少しですが、多数の来場者、特に若い女性が多かった気がします。
会場3Fには、日々作品が生み出される堀部さんの事務所インテリアが再現され、建築が生まれるまでの過程が、スタディ模型から堀部さん愛用の設計道具などと共に紹介されていました。
4Fには、代表作である「竹林寺納骨堂」や「阿佐ヶ谷の書庫」を含む14作品による短編映画(30分)が上映されていました。
「建築そのものだけではなく、『建築のまわりにある大切なもの』も伝えたい」という堀部さんの思いが託されています。
3F会場 中央に展示された竣工模型。
縮尺を1/100、模型の使用材料も統一されています。
屋根・形態の違いなどがわかりやすく並べられていました。
26歳の所員さんが今回の展示の為に製作されたそうです。
竣工模型の脇には、スタディ模型。こちらは手に取って見ることが出来ます。
「せとうちクルーズ船 guntu(ガンツウ)」模型。
「せとうちに浮かぶ、小さな宿」をコンセプトとする宿泊型の客船。客室は19部屋。2017年9月就航予定だそうです。
展覧会が終わった後に処分しなければならないような展示物はつくりたくないという堀部さんのお考えがあったようです。
主には
①丁寧につくられた縮尺1/100の竣工模型群
②映像のプロが製作したドキュエンタリー映画
この2点にエネルギーを集中させているように見えました。
「竹林寺納骨堂」で日本建築学会賞を受賞され、せとうちクルーズ船の計画など住宅以外の特別なプロジェクトも発表されています。
展示物としては派手な見せ方をしないよう意識されているのだと思いますが、全体として、堀部さんの自信を静かにみなぎらせている展覧会だったかな、と個人的には感じました。