diary, blog
ジョルジョ・モランディ展
東京ステーションギャラリーで開催中(2016年2月20日~4月10日)の展覧会
「ジョルジョ・モランディ 終わりなき変奏」に行ってきました.
20世紀最高の画家の一人ジョルジョ・モランディの、日本では17年ぶりとなる待望の展覧会とのことです.
静物画というテーマに的を絞り、洗練を極めたモランディ.
ボローニャのモランディ美術館の全面的な協力を受け、同じ瓶や壺を飽くことなく組み替えて無数の傑作を生みだしたモランディに特徴的な「ヴァリエーション=変奏」に焦点を当て、油彩約50点を中心とする約100点が紹介されています.
口癖は、「ほっておいてくれ」のモランディ.
これだけまとまった数の作品が見られる贅沢な機会もなかなかないと思い、
会期終了の少し前に、家族3人足を運んできました.
ギャラリー入り口脇のディスプレイのスライドショー画像をいくつか、スナップ写真におさめてきました.
さらに、展覧会場内の壁面にいくつか示された、モランディの言葉を書き留めてきましたのでご紹介させていただきます(図録掲載のない内容もあるそうです).
「私は、より多くの時間をかけることで、自分自身を繰り返す危険を避けてきたと思います。そうして、絵の1点1点が、ごくわずかなテーマの変奏となるよう、構想してきたのです。」
1958年
「重要なのは、ものの深奥に、本質に、触れることです。」
1937年
「実際に見ているもの以上に、抽象的で非現実的なものは何もない。」
1955年
「目に見えるものは、描けるのです。」
1961年
「思索にふける私の性分が、こうさせるのでしょう。」
1955年
「自然の中にあるもの、つまり目に見える世界を表現することに、心惹かれるのです。」
1955年
モランディは、身の回りにはしっかり吟味したアイテムしか置かず、また画く静物に積もった埃を落とさないよう相当気を遣っていたそうです.
今回の展覧会で複数の作品を同時に見ることが出来、埃の色彩が背景色と同化していくような執拗なこだわりなども十分に感じられました.
個人的には大変興味深い展覧会で家族皆それぞれ大満足でした.
ちなみに5歳の娘は、花を画いたシリーズが気に入ったようでした.
東京ステーションギャラリーでは、展示室の移動に階段室を利用します.
その際、東京駅丸の内駅舎創建当時(1914年/設計:辰野金吾)のレンガや鉄骨を間近に見ることが出来ますので、アート作品と共に重要文化財の建築を見る楽しみもありました.