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覚王山の住宅 改修/House in Kakuozan
設計:hm+architects/エイチエム プラス アーキテクツ
外部の主な改変は、ガーデン部分のリノベーション(既存建築の外装はそのまま).
▽before:既存住宅/外構全景
▼after:外構/アプローチ・ガーデン部分の改修
▽before:エントランス/アプローチ階段
▼after:門扉取替え、大型天然石のアプローチ階段へ
▽before:既存庭よりアプローチ階段を見る
▼after:コンクリートで固めた既存石床を撤去。アプローチとガーデン空間を一体的に
内部の改修は、主に床仕上げの見直しを行ない、各室の要望により改修範囲を変えながら一部プランの変更も行なう.
▽before:リビング
▼after:リビング → ヨガスタジオへ 主にフローリング・造作棚塗装の内装改修
▽before:ダイニング
▼after:置き家具と造作家具(ベンチソファ)、ペンダント照明、カーテンのコーディネイト改修。
▽before:キッチン脇スペース
▼after:家事動線、通風、採光、暖房効率を見直す一部プラン・建具の改変。
▽before:2F 寝室
▼after:既存ウォークインクローゼット壁・扉を撤去し、一体の空間へ。室内塗装と造作棚追加。
House in Kakuozan Renovation
覚王山の住宅 改修
愛知県名古屋市内、閑静な住宅街のなかに建つ住宅のリノベーション。
既存の住宅は、築14年程で住宅として十分に機能するものでしたが、主には入居者の世代交替のため、部分的に建築の印象と機能面に手を加えることとなりました。
また今後、1Fの一部を使ってヨガ・スタジオを開設されるご予定です。内外の部分改修により、住居以外の運用にもマッチさせられるよう、これまでのイメージを変えたいというご要望でした。
外部については、コストバランスを考慮し建築本体に手を加えることはほとんど行なわず、主に外構アプローチのイメージを改変することに注力しています。ヨーロッパの雰囲気が感じられるコーディネイトとして建築・植栽ともバランス良く刷新できれば・・という目的に合致させるため、効果的な工事範囲かつ素材を慎重に定めました。
表面的な見え方のみ洋風なエクステリアとしている住宅の外構事例はあちこちで見かけますが、本計画ではそうしたイメージを超えて、時間を経て味わいが増す、そんな存在感のあるガーデン・アプローチを目指しています。
外構の構築物としてあった既存擁壁は、全体の土留め機能はそのまま生かしながら、壁の高さを適度に低くし、他を圧するような強さを和らげます。さらに意匠面では、クラフト感のあるスライス・レンガタイルを採用して優しい景観に変化させる計画としました。このレンガタイルは、砂をまぶした木型を用い、手仕事で脱型したレンガを22mmほどにスライスしたものであるため、一つひとつ異なった豊かな表情をつくり出します。背後に存在する既存建築の外壁(テラコッタ調タイル)とも、新規の植栽イメージにも調和するバランスを、シンプルな意匠操作でありながら獲得しようと試みました。
建築の内部については、1,2階床の改修を中心に、雑壁を改変した部分的なプラン変更と採光・風通機能を高める建具の改修、インテリアの模様替え(造作家具設置含む)を行ないました。
1階床では、既存の竹集成材のテクスチャ、カラーを改めるため、表面を0.8mmほど削った後に薄いグレーに染色塗装する特殊技術を使ってご要望のカラーイメージに近づけました。2階は主要室の床を18mmナラ無垢フローリングに張替え、シンプルな改変でかつ永く飽きのこないインテリア改修を心掛けました。
所在地 愛知県名古屋市
主要用途 住宅
設計監理 hm+architects 一級建築士事務所/伊原洋光・伊原みどり
施工 シーズン
植栽 フルヤプランツ
敷地面積 227.23㎡
建築面積 109.89㎡
延床面積 196.96㎡(内改修面積:106.40㎡)
規模 地上2階
構造 鉄骨造
photo:博英パブリシティ、hm+architects