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建築家の自邸兼アトリエ見学
先日、日本建築家協会 関東甲信越支部 住宅部会のイベント
3人の建築家が40代で建てた「自邸+アトリエ」建築見学ツアー に参加してきました。
神奈川エリア、東急田園都市線沿線3軒の建築家自邸を公開していただけるという企画で、住宅内部を見学出来る貴重な機会です。この地域で設計活動をされている建築家の 桜本将樹さん、中村高淑さん、高橋隆博さんが直接ご案内して下さいました。
・桜本邸(桜本建築設計事務所)
・中村邸(中村高淑建築設計事務所)
・高橋邸(アトリエ秀)
を巡るプログラムでしたが、私は都合で2件目から参加させていただき、中村邸と高橋邸の2つの建築にお邪魔しました。
冒頭の写真は中村邸の内観(2F ダイニングキッチン)、2点目は外観写真。
中村邸は竣工後約1年、コンパクトな2つのアトリエ:建築設計事務所のアトリエ(1F)、陶芸家の奥様のアトリエ(2F)が内包された地上3階建の建築です。
間口4m、奥行13.6m(約16坪)の細長い敷地に
RC造(1F)+木造(2,3F)の混構造のフレームを採用されていました。
特に木造部については、LVL(単板積層材)による木造薄肉ラーメン構造 という工夫が盛込まれたもので、
構造フレームの柱型、梁型を極力出さないおさまりを実現し、平面・高さともスペースを有効に活用する計画となっていました。
ちなみにRC造の1Fには、ショールームのようなつくりのガレージに
中村さんの素敵な愛車(車:Porsche 911、バイク:SUZUKI・KATANA)が置かれているため、竣工直後はバイクショップとよく間違えられたそうです。
内外ともに構造形式や建築材料を多彩に操る、建築家独自のコーディネートが際立つ建築でした。
次にうかがいました高橋邸は、竣工後13年、地上3階+ロフトの建築でした。
構造はRC造(薄肉ラーメン構造)のスケルトン、内部に木造のインフィルを軽く組み合わせた、こちらも個性的な構成。
家族の成長や変化に対し、将来 柔軟にカスタマイズ調整ができるような建築を意識して設計されたそうです。
おおまかには1Fを設計事務所スペース+臨時に開催されるイベントスペース、上階にはプライベートな居室が設定されていました。しかし実際の運用では、2Fのリビング・ダイニングスペースにまで、週末に外部の方を招いた様々なかたちの利用状況になっているとのお話でした。
お子さんの成長とともに、3Fプライベートルームの仕切り方を変化させて来た経緯も含め、大きな時間の流れの中で建築を捉えることができる解説をいろいろとお教えいただきました。
設計者としての想いと、利用者(住まい手)の想いを両立させた実例を見学することが出来、学びの多い見学会でした。
企画していただいた日本建築家協会の皆様、ご自邸を案内して下さった桜本さん、中村さん、高橋さん、どうもありがとうございました。
現在、弊社にご依頼いただいています実施設計中の「蒲郡の住宅」も、アトリエ併設の計画となっています。
より良い建築を生み出せるよう、こうした一つひとつの経験を日々の設計に活かしていきたいです。