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虎渓用水広場
岐阜県多治見市 JR多治見駅北側に2016年7月にオープンしています
「虎渓用水広場」を少し見学してきました.
ランドスケープデザインにオンサイト計画設計事務所代表の長谷川さんが関われているとお聞きしていましたので、楽しみに・・
広場の案内サイン
多治見駅と、市役所駅北庁舎との間に位置しています.
せせらぎと共に植栽、土地に高低差など変化を持たせたと思われます全体の修景、人が休憩出来る居場所となる あずまや(屋根)、デッキテラス、ベンチといったそれぞれの仕掛けがさりげなく用意されています.
「虎渓用水」とは
この地でかつて、近世以降の農民の悲願を込めた用水として、村の財産を売り払いながらの難工事を経て明治35年(1902年)に竣工したものだそうです.
しかし現在に至るまでに、農地が住宅に変わるにつれ暗渠化が進んで(目に見えない施設となって)しまいました.
この広場計画では、歴史的施設である虎渓用水を活用し、土岐川の水を広場に導いているそうです.
かつての虎渓用水に思いを馳せたり、広場全体を楽しんだりしていただく場所をつくるというコンセプトですが・・
オープンして間もないと感じさせない程、すでに多くの一般市民に利用されているようでした.
早々に馴染んでいるように見え、素晴らしい計画と運営ですね.
ミストほか、水を使った仕掛けは猛暑の多治見市にピッタリですね.
水際に高い手摺を巡らさないで、こうした公共の場を実現していますが、それ程簡単なことではない気がします.
関わった方々の広場に対する前向きなメッセージを受取るようで、素直にいいなと感じました.
訪れたときもかなりの暑さでしたので、あずまや(屋根)がつくる日影の効果を実感.
屋根のスリット状のトップライトが、木漏れ日のような光を落としています.
ちょっとしたことで、広場を優しい印象にしている気がします.
駅前広場でちょうど、「打ち水大作戦」というイベントを行っていました.
NHKさんも取材されていました.
多治見市が数日前、全国最高の気温39.7度を記録していたため、水打ちで気温が下がることを体験するイベントは、子ども達へのメッセージとしてピッタリのタイミング!
子どもさんから「家でもやってみる!」という声も聞こえました.
ちなみに「デザイン」という言葉は
建築やランドスケープ、プロダクト、グラフィックと様々な場面で耳にします.
しかしながらデザインのお仕事をされる専門家同士の会話でも、同じ単語で定義みたいのものは結構違うなぁ、と思うことがよくあります・・
私なりに・・デザインという行為は、どの分野でも共通して「何か物事を良くしよう、楽しくしよう!」というポジティブな意思・思考がモノに込められること、そうしたモノに人が出会うことが重要なんだろうと思います.
無意識でも他者(創作者)の前向きなメッセージを受け取った時、多くの人が心地よく感じるのではないでしょうか.
素材の選定も、造形的な工夫も、その意思の表れの一部であって、表現が派手でも控え目でも他者が共感する部分が何かあれば、一人でそこに居ても場所・モノからの会話があって居心地が良くなるのではないかなと.
当たり前ですが、形やテクスチャを与えることのみを「デザイン」と言うのではなく、もっと全体の「良きメッセージ」と捉えたい気がしています.
猛暑からか、勢い ちょっと大げさなコメントになってしまいました・・水で頭冷やした方がいいかな.
虎渓用水広場のウェブサイトはこちら.
http://www.kokei-tajimi.info
予約して使用できるイベント広場の料金もリーズナブルな設定に感じます!