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豊橋ハリストス正教会

豊橋ハリストス正教会

「豊橋ハリストス正教会」(1913年完成)を少しだけ見学してきました.

設計は、建築家・内井昭蔵の祖父、河村伊蔵(愛知県半田市出身)です.

建築は、ロシア正教会の聖堂として建てられたものであり、ビザンティン様式・木造平家建・下見板張り・銅板葺きで、玄関の上部に鐘塔を立ち上げています.
装飾の少ない簡素な建築ですが、木造のハリストス正教会の聖堂として、洗練された完成度の高い建物となっています.

1984年に県指定有形文化財、2008年に国の重要文化財に指定されています.
ちなみにこの文化財指定には、私が学生時代にお世話になりました飯田喜四郎先生(名古屋大学名誉教授、博物館明治村館長、伊勢神宮 第61回式年遷宮 神宮司庁技監営繕部長 ほか歴任)が関わられております.

河村伊蔵は、豊橋と同時期に「白河ハリストス正教会」(1915年)、「函館ハリストス正教会」(1916年 重要文化財)も設計しています.
現代では想像出来ないくらい移動や情報交換に時間が必要な時代に、かなり離れた地域での設計・監理を同時期に複数、いったいどんなやり方で仕事を進めていたのだろうか・・

私は以前、「白河ハリストス正教会」については内部まで見学させていただきましたが、今回豊橋の見学は外部のみです.
思わず調べ無しに立ち寄ってしまいましたので、またいつか内部のドーム天井などを見学したいところです.

聖職者でもあった河村伊蔵から、内井進、内井昭蔵と3代続く建築家DNA・・すごいですね.
建築の設計は、技術的なことだけではなく、やはり深い精神性に支えられているのだと感じてしまいました.
100年間そこに建ち続けている建築・・
長い時間、建築の性能と価値を維持する偉大さを考えると、何だかあまり言葉が出てきません.
自分が関わる建築設計で何が出来るのか、日々少しづつでも確からしいことへ歩みを進めていきたいものです.

豊橋ハリストス正教会

 

 

blog category:建築視察
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2016-03-29 | Posted in diary, blog |