diary, blog
加賀 山代温泉[古総湯・総湯]
石川県加賀市 山代温泉へ
建築家の内藤廣さんが10年以上街づくりに関わり、見事に山代温泉を再生に導いたプロジェクト.
街の核となる総湯(共同浴場)が生まれ変わっています.
写真の「古総湯」は2010年にオープン.
古総湯の周辺を指す「湯の曲輪(ゆのがわ)」の整備も11年に完了.
「湯の曲輪」とは、源泉が流れ込む「総湯」を旅館が囲むように形成された街区を指します.
江戸中期には温泉街特有の街並を形成していたそうです.
これまでの老朽化した鉄筋コンクリート造の総湯を、明治時代の木造「古総湯」として湯の曲輪の中心に復元し、隣接する旅館跡地に市民の為の新しい共同浴場「総湯」を建てています(設計:内藤廣建築設計事務所).
「湯の曲輪」を広場として一体的に整備し、街全体が蘇生する大きな流れが出来、歴史を感じながらゆったりと日々の疲れを癒せる場をつくりあげていました.
復元された往時の浴室、質の良い源泉、「霊湯に対して感謝を捧げましょう」という入浴心得があり、山代温泉への誇りが込められています.
ちなみに「古総湯」にはシャワーも洗い場もありません.
脱衣スペースも浴室空間と一体でちょっと面白い感じです.
ステンドグラスと九谷焼のタイル(地元作家)が室内に見られ、レトロで落ち着きのある親密なムード・・言葉でうまく言えませんがとても魅力的なお風呂でした.
↓インテリア写真など、山代温泉WEBページで見られます.
http://www.yamashiro-spa.or.jp
2階「休憩室」へ
階段とハイサイドライト.
休憩室より「総湯」が見えます.
明治期の資料(モノクロ写真・絵図)より、建築の梁間や桁行ピッチ、屋根勾配などが求められたそうです.
木造でしっかりとつくられた建築ですが、個人的にはスチール製の、高さが低い白い手摺に味わいが感じられ、何だか好印象でした.
入浴後、2階休憩室から街全体を眺められるのは、観光客にとりましてはその場所の記憶をつくってくれるようで、良いですね.
「総湯」は2009年にオープン.
景観を再生すべく、かつて湯の曲輪に面して建っていた旅館の外観を踏襲.
解体保存された門を再利用しているそうです.
朝早く、総湯を利用してみました.
幅広い年齢層の方に利用されており、施設がしっかりと地域生活に定着している雰囲気でした.
お湯の温度は高めです.
トップライトで明るい浴室は広く、ゆったりした気分になれます.
一日がとても気持ち良く動き出せる、そんな霊湯・建築を体験できました!