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草間彌生展「わが永遠の魂」
国立新美術館で2017年5月22日まで開催中の
草間彌生展「わが永遠の魂」へ行ってきました。
草間さん13年振りにして、これまでにない大規模個展。
国立新美術館も今年開館10周年とのことで、力を入れた展示のようです。
小雨の日曜日、午前中からチケット購入だけでも長蛇の列で、すごい盛況振りでした!
美術館外部の樹木や、外部デッキのパブリックスペースにも草間さんのアートワークを見ることができます。
館内、展示室内でも、いくつか撮影可能な場所が用意されていました。
以下そこでのスナップ写真を数枚UPしてみます。一部展示内容がわかってしまいますがご容赦願います。他のweb上でも画像は紹介されていますので・・
まず展示エントランスでは、目力がすごい草間さん写真でお出迎え。
1929年生まれ、現在88歳とのことですが、日曜も祝日も関係なく毎日、創作活動に取組まれているそうです。
展覧会は二部構成となっており、第一部は「21世紀の草間彌生」と題し、2009年から取組まれ現在も描き続けられている「わが永遠の魂」シリーズが圧倒的な迫力で紹介されています。2メートル角ほどの正方形大型キャンバスに描かれた同シリーズ作品は500点を超えているそうです。
そのうち130点あまりが会場に集められ、メインとなる展示室壁面はぎっしりと作品で埋め尽くされています!
個人的には、繰り返し描かれるモチーフ、様々な「顔」に興味が湧きました。
作品の部分紹介を写真で少し・・
第二部は、「20世紀の草間彌生」ということで、故郷 松本での「初期時代」から、「ニューヨーク時代」、帰国後の「東京時代」の作品を順に見ることが出来ます。
幼少期、10歳の時に描かれたドローイング紹介もあります。
子どもの頃から幻覚を日々見るようになって、苦悩を乗り越えるべく「水玉」・「網目」を用いた幻想的な絵画作品が製作されていったようです。
ニューヨークでは極貧時代を乗り越え、社会へのメッセージ性の強い作品を生み出し、表現としても当時の最先端のアートシーンに強い影響を及ぼすことに。
しかしその後、帰国した日本での不本意な評価などから、個人の内面世界にのめり込む新たな作風への転換があったと・・
そして1980年代から90年代にかけて発展していった代表的な作品「南瓜」は、草間さんの内面を癒してくれるような存在として見出されたのだそうです。
関連する2000年代の作品もいくつか館内に、そして屋外の展示場にも巨大な作品が置かれていました。
室内の展示を見終えてから、一度外に出て高さ4.5メートルの大型「南瓜」を見に行くと・・
雨の中ミッドタウンの高層棟が背景となり、六本木という場所・スケールに不思議と相性が良いようにも見えました。
また展示室とは別に、美術館のホワイエの一部に用意された「オブリタレーションルーム」では、来場者が水玉のシールを受取り、ルーム内部へ自由に貼り足していく体験もできます(展示チケットの提示は必要)。
展覧会では、草間さんの生き様そのものとも言える、その凄まじい創作の数々、ほとばしるエネルギーにとにかく圧倒されました!
多くの来場者が展覧会場にいらしておりましたが、私にはそれぞれの方が何かに納得して会場を出て行かれるようにも見えました。
創造的な活動を70年に渡って続けてこられた凄み、年齢を重ねさらに新しい表現への変化・進化。写真では伝わらない作家の魂に触れたのではないでしょうか。
唯一無二、独創的であればあるほど、草間さんは人一倍孤独な道を歩まれたのだと思います。
自分の建築設計を考えますと、足元にも及ばないエネルギーレベルではありますが、とにかく短期的な結果や評価に左右されない強い気持ちを保ちながら仕事を続けることが重要なのだと感じました。
最近、展覧会では写真撮影OKというイベントが増え、思わず記念写真を撮りたくなる場所を会場のどこかに設けていると感じます。
こうして拙ブログでも紹介してみたり・・SNSなどで写真が多くの方にUPされることが当然考えられていると思われます。
またミュージアムショップでのグッズ販売も、レジ待ち30分の列になるほどでした。会期終了間際には、相当な情況になっていると思われますので足を運ばれる予定の方は、事前のチケット手配や早めの時期・時間帯がオススメです。
草間さんのこれまでの活動、変遷が俯瞰できる展示となっており、他では見られない内容だと思います。
そして同時に東京の真ん中でこうした芸術・文化活動に触れることが出来るようになったこと。当然経済性も緻密に考えて、国立新美術館・ミッドタウンを出現させた再開発も、完成後しばらく時間が経ちましたが、やはり色んな意味で凄いなぁと。
週末、素晴らしい刺激をいただきました!
blog category:展覧会等イベント視察
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