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復刻なるか

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建築の金物、建具のハンドルについて、少しご紹介します。

先日、建築金物メーカーの「堀商店」さんのご担当の方から、一度廃盤となっていたアイテムが復刻されたとご連絡をいただきました。サンプルを見せてくれるということで、まずは拝見!

写真左のステンレス素材のものは現行でも扱っている商品「MCS」ですが、右の同デザインで真鍮素材がラインナップに復活したそうです。

このハンドルは、細くて小振りなのが特徴です(ハンドル長さは70mmほど)。
スケールの小さい空間表現に合うということで愛用している建築家もいます。真鍮のハンドルは、ステンレスより重量があり、また使い込んで味わいが増してくる素材感、カラーコーディネートなど、選定される理由は幾つかあると思います。

ちなみに同デザインで一回り大きい、標準サイズのものもあります。

 

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参考までに・・と、半世紀以上前となる1965年のカタログコピーを見せてくれました。
上から2段目左の「MC」という製品が標準サイズのアイテムで、今も「MCR」という名で続くロングセラーアイテムです。

実はこの古いカタログを持参して下さったのには、別に小ネタがあってのこと。
上記カタログ、最上段の左側「MA」という名の真鍮製ハンドルは、「山田守自邸」(参考:以前のブログ記事「山田守自邸」見学)でも使われていたレバーハンドルであるそうです。

 

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↑写真左が、そのハンドル(と同一デザイン)の実物。
現在は廃盤となっています。
偶然、別の建築現場の解体時にハンドルのみ残すことができたレアアイテムとのこと。丸い座金パーツは残念ながら残っていないそうですが、テクスチャに時間の堆積を感じますね。
拙ブログを見て下さって・・「伊原さんは興味があるのでは?」ということで、わざわざ持参して下さいました。
(しかし私は見学者時にそれを建物のどこに使っていたのか、不覚にも気付けていませんでした!)

最後に↑写真「MA」の右側、ステンレス製のハンドル「MB」について
上記1965年カタログでは最上段の右側にありますが、これも同様に現在は廃盤です。
まったくクセの無いシンプルなデザインで、堀商店らしさ?のような手の込んだ仕掛けは抑えられているように見えます。しかしハンドルの径が13φと、かなり細くシャープです。他メーカーでありそう?と思っても、この繊細さは他の既製品ではおそらく無いでしょう。個人的に一番使ってみたいのはこの製品かな。
こちらも半世紀前に存在していたということで、思わず唸ってしまいました。

リクエストがあれば、冒頭の「MCS」に真鍮が復活したように、廃盤の「MA」「MB」も製品として復刻の可能性があるそうです!
もしリクエストするとしたらどれが良いですかと聞かれ、私はMBに一票、としてみました。
建築関係者でも一般の方でも、ご意見のフィードバックがありそうですので、堀商店さんにお伝えしてみてはいかがでしょうか。

 

 

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2017-05-23 | Posted in diary, blog |