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中部大学にて

大学の非常勤講師として、今年度の秋学期は、毎週金曜日に愛知県春日井市にあります中部大学で授業を行なっています。
午前中は座学で「建築構法Ⅱ」、午後には設計製図の指導で「建築デザインⅡ」という授業を担当しており、ダブルヘッダーで頑張っています!
座学が1限ということもあり早朝の新幹線に乗って夜の帰宅までは16時間くらいかかりますが、基本は日帰りにしています。座学は事前の講義準備や採点・評価、また設計演習は対面クリティークの瞬発力が必要で、毎年大変なところはありますが・・数年経験しまして何とか慣れてきたようにも感じます。

そんな1日を中部大学で過ごしていますが、キャンパンス内にはとても緑が多いので、授業の合間に散策するだけでもちょっとした息抜きになります。
長年キャンパンス全体の整備に尽力された中部大学の前理事長さんは、新規の施設整備の際にも既存樹木をできるだけ切らないよう大切にされていました。あちこちに見られるケヤキやイチョウの大木は堂々と存在し、キャンパスと人々を見守っているようです。
ケヤキの左手建物は、前職で設計を担当しました不言実行館です。

また学内には池、庭園もいくつかあり、四季折々の表情を見せてくれます。
新緑の時期も清々しく素晴らしいのですが、私は秋から冬にかけての紅葉の景色が特に好きです。
さらに庭園だけでなく、茶室を含む日本建築もキャンパスの中央部に整備されています。全国的に見ても特別なキャンパスと言えると思います。


写真の「洞雲亭(どううんてい)」は、香川県小豆島内海町坂手の洞雲山観音寺の庫裏の建物でしたが、建替えに際して同寺住職加藤義昇氏から寄贈されたもの。文化9(1812)年に建築したことを記録する棟札のある貴重な古建築です。

大学での指導もこの1、2年を振り返りますと、コロナ禍を経験して様々な対応が求められました。コミュニケーションの取り方もツールも進化する部分があったと思います。基本的には人と人が対面で会うことの意味、良さを考えることになりつつ、一方で強制的に遠隔対応を経たことによる良い発見もいくつかありました。以前は活用していなかった大学のデータ共有のシステムで解説資料を履共有したり、個別に疑問や意見を引き出すためアンケート収集のシステムを利用するなど、学生さんにも指導者にも良いフィードバックがあると実感できました。コミュニケーションとしては、こうしたハイブリッドな指導が一般化してきている気がしますが、率直なところ、大学が情報提供するサービスレベルは、自分の学生時代とは違い、かなり便利になっていると思います。
ただ指導者も学生さんも細々とさだめられた作業対応は多くなり(私はそれほどインタラクティブな進め方を実現できていませんが)、使い易さと大変さの両方があります。まぁツールが変わっても変わらなくても、考える力を身につけるという本質的なところに迫ることができれば、何でも良いとは思うのですが・・
建築でも、時代とともに変わる部分と、変わらない部分が当然あると思うのですが、およそ変わらない価値にフォーカスできたらいいのかなぁと、考えています。

キャンパスの散策から少し話が逸れてしまいました。
こちらの写真は、14号館の外構部分ですが、8年ほど前に設計を担当させていただいたところ。やや人通りの少ない樹木の影手になるところが、透水性インターロッキング200角 苔仕上げ!になっていました。こうしたグリーンのカーペットのような表現を人為的につくることはなかなか難しいところ・・
大学内のいろいろな場所で自然の力を感じています。

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2021-12-07 | Posted in diary, blog |