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建築家フォーラム/構造設計家

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2018年3月13日に開催(東京都墨田区両国)されました
「建築家フォーラム 第166回」に行ってきました。

<40歳前で開花した構造デザイナー?>
としてご紹介・講演されたのは Arup Japan伊藤潤一郎 さん。

聞き手として、また会の進行もお務めになられたのは
構造設計家として長くご活躍の今川憲英 先生です。

伊藤潤一郎さんは、39歳という若さで昨年
第12回日本構造デザイン賞(太田市美術館・図書館)を受賞され
今、国内で最も注目を受けている構造エンジニアの1人と言えます。

私は偶然にも、前職(第一工房)で設計担当をしました「白河市立図書館」で伊藤さんと、
また今川先生とも「愛知万博/瀬戸愛知県館」でコンペから現場管理まで
ご一緒させていただいた経験がありました。
今回、なかなかお目にかかれない構造エンジニアのレクチャーということで
拝聴を楽しみにしていました。

 

講演では、主に伊藤さんのこれまでの歩み、その時々に考えていたこと
プロジェクトのエピソードと担当された作品(凄い建築作品の数々)の
解説をしていただきました。

構造エンジニアとしての原点は、東京電機大学 学部・大学院での
今川先生との出会い(今川研究室 第1期生)と言えそうです。
学生時代に、建築家の坂茂さんから今川先生が依頼を受けていた
鉄と木のハイブッリッドな構造設計について、実験・解析を体験されたそうです。

その後、構造設計集団SDG(代表:渡辺邦夫)で勤務され
海外コンペなど多くの大規模プロジェクトに携わり、
そして2005年からはArup Japanでご活躍されています。
新宿にある超高層建築「モード学園/コクーンタワー」(設計:丹下都市建築設計)
プロジェクトでArup Japanさんが大規模で特殊な構造設計が出来るエンジニアを
募集されていたことが転機の一つだったようです。

今となっては白紙撤回となってしまいました、新国立競技場のザハ・ハディド案の
実務設計チームに招聘(日建設計へ出向)されて関わられていたこと、
その後、国内外で活躍される著名建築家とのコラボレーション、最新プロジェクトの話題。
構造エンジニアから意匠設計者への逆提案で、建築モデルが進化していった例、
各プロジェクトでの構造ディテールの積み重ねの大切さ等々・・
今川先生とのやりとり含め、あっという間に終了定刻は過ぎ、
30分延長となってしまいましたが、私にとっては非常に興味深い楽しい一時でした。

 

とても優秀な構造エンジニアと一緒に設計を進めることは、
とてもワクワクすると同時に緊張感もあります・・。
とにかくボルテージがあがります。
そして意匠設計者だけでは到達出来ないような技術的な解決策が示されながら
プロジェクトが進化していく醍醐味は、他では味わえない特別な設計体験と言えます。

伊藤さんのエンジニアとしてのセンスとメンタルの強さは特筆すべきものがあり、
やはり天賦の才があると感じました。

場所を変えての二次会でも、レクチャーでうかがえた話からさらに一歩踏み込んだ
会話ができ、多いに刺激をいただきました!
すでに世界的なステージへ大きく飛躍された伊藤さんですが、
またいつか、hm+architectsの設計案件で伊藤さんとご一緒出来るような
何かの巡り合わせも、ひょっとすると・・

 

 

blog category:展覧会等イベント視察
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2018-03-15 | Posted in diary, blog |