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シャルル・フレジェ展

シャルル・フレジェ展

銀座メゾンエルメス 8階「フォーラム」で開催されていました
「シャルル・フレジェ展」に立ち寄ってきました.
会期は当初、2016年2月19日〜5月15日でしたが、好評のため 5月22日まで延長されたとのことです.

シャルル・フレジェさんは、フランスの写真家です.
1975年、フランス、ブルージュ生まれ.
世界各地の装束――民族衣装や、伝統衣装、習わし、儀式、祭礼のためのコスチュームなど――をシリーズで撮影し、それぞれの土地に潜む驚くべき多様な人間の営みを、人類学的、民俗学的にも興味深いポートレートとして収め続けています.

北から南へ、日本列島58ヶ所の取材から成り立つ本シリーズは、
「YÔKAÏNOSHIMA」と名づけられ、田畑や山々、森林、海辺から現れた、日本固有の仮面神や鬼たちの姿を紹介するものです.
日本人の恐怖や畏怖を象徴しながらも、私たちの生活の傍らに潜み、時に親しみを感じさせる存在である妖怪.
そのルーツともいえる神や鬼たちの姿を、フレジェさんは写真に収めています.

会場構成は、松島順平さんが手掛けられています.
1979年生まれの注目の若手建築家です.
島国ならではの、起伏の多い日本のランドスケープにインスピレーションを得て会場を構成しています.

残念ながら、会場は撮影不可でした.
展示で配布のフライヤーです.

シャルル・フレジェ展

展示を拝見しますと、シャルル・フレジェさんの写真作品と松島さんの会場構成、レンゾ・ピアノ設計(2001年)の品のある建築空間全体がつくり出す雰囲気がとてもマッチしていると私は感じ、独自の世界観のようなものが好印象でした.

正直なところはじめ、松島さんの会場構成が気になって足を運びましたが、フレジェさんの作品がとてもチャーミングで、気が付けば不思議な写真の世界にどんどん引込まれていました.
会期延長も納得です.

ちなみに今回の展示が行われている、「フォーラム」の活動はエルメス財団主催の活動となっています.
エルメス財団は、2008年4月にパリで発足した非営利団体で、馬具職人をルーツとするエルメスを母体とし、芸術や技術伝承、環境問題、教育活動などに関わるプロジェクトの支援を通じた活動をされているとのことで、毎回開催されるこうした展示など全て無料です.
大変素晴らしい活動ですね.

 

銀座メゾンエルメス 夜景

建築については、2001年の竣工から15年経過しています.

銀座メゾンエルメスを見ると、私は竣工間際の頃、構造設計をされたArup Japanの彦根茂代表、ご担当された金田充弘さんにご案内いただいた、構造現場説明会にお邪魔したことをふと思い出します.

銀座の華やかさ、高級ブランド店としてのイメージ「時を超え、時に溶け込み、流されることなく質を保持して欲しい」というエルメスの要求に対し、レンゾ・ピアノ氏は戦前から変わらぬ空間の質を維持するピエール・シャロウ設計の「ガラスの家」(1931年)をモチーフに選び、全面ガラスブロックのエレガントな建築をつくり出したそうです.

商業建築としてのブティックが、数年で消費されてしまうような建ち方ではではなく、消費スピードに耐えられる変わらない価値を求めた結果、この「マジック・ランタン」と名付けられた高価な特注ガラスブロック(450mm角)のカーテンウォールが実現されたと聞きます.

美意識と構造エンジニアリングの融合したこの建築は、いつ訪れても変わらない建築の魅力をそなえて人々を迎えてくれるようで素晴らしいです.
銀座には真似の出来ない手の込んだ建築が多数ありますが、その中でも私が好きな建築の1つです.

15年経過した今、設計時の「時」をテーマに取り組んだ結果が、まさに周辺の建築との差としてしっかりと表れているようでした.

銀座メゾンエルメス 夜景

 

 

 

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2016-05-25 | Posted in diary, blog |