diary, blog
土間のある暮らし
「犬山の住宅」にうかがった時のことを少し紹介させていただきます。
国宝の犬山城 で知られる愛知県犬山市内に計画されたこの住宅は、玄関とその脇の1室をコンクリート土間の床としています。この「土間」は、歴史のある地域の建築的文脈を受け継ぐということと、住まわれる時の機能的なニーズから導き出されています。
ご夫婦の趣味でもある自転車を室内で扱いたいというご要望から、ゆったり広めの玄関スペースと隣接する室も一体的に活用できる土間のある空間が生まれました。
1枚目の写真は竣工引渡し直前のものです。
ちなみに玄関の土間には下足入れがないように見えますが、ご家族の靴も、コートも、その他道具も・・写真左手の白い壁面収納に収まっています。
玄関は、普段リビングに連続するオープンなスペースとなっていますので趣味室の一部として利用されています。
写真右の玄関扉を引戸にしているのも、自転車やベビーカーを出し入れしやすくするためです。
使い勝手と、広々としたイメージだけで土間を採用しますと、一般に冬の寒さが問題となってしまいます・・
しかしこの住宅に関しましては全くその心配がありません。土間のコンクリートを蓄熱体とした輻射暖房とし、厳冬期に土間を裸足で歩いても冷たくないくらいの、心地よい温熱環境をつくり出しています。
2枚目以降の写真は、住まわれて約半年後の様子です。
建具の鉄骨補強フレームからハンモックが下げられていました。ハンモックは足まで乗せられるように伸びるそうで、ご主人もつい気持ち良くなって、うたた寝もされるのだとか。まさにリビングの一部です。
バイクは、ディスプレイスタンドの上段からご主人、奥様、そして床には息子さんの愛車が2台。
幼児期のファーストバイクから、2台目はカッコイイ木製バイクにステップアップしていました。ともにイギリスのEARLY RIDER(アーリーライダー)です。
レザーシートです!
ご家族の雰囲気が伝わってくる、家庭内ショールームのようです。
見ているだけでゲストも楽しくなってくるような、土間のある家での暮らしを見せていただきました。