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地盤確認

愛知県内で進行中のプロジェクト「House in Shinshiro/新城の住宅」の地盤立会い確認に行ってきました。
既存建物の撤去が無事に完了し、まずは設計者(私と構造設計者)と施工者の3者で現場全体の地盤状況のチェックです。事前に行なっている地盤調査結果を参照しながら、計画建物の基礎底のレベルと地耐力、地盤改良はどの範囲に必要かなど確認しました。
概ね良好な地盤であったため、当初の設計内容に僅かな砕石置換の追加+転圧対応で進めることとなりました。費用面でも最小限となり、まずは一安心です。

小雨の中、計画敷地の北側に広がる美しい竹林を鑑賞してきました。
調整項目はまだありますが、着工に向けて一歩ずつ準備を進めています。
blog category:新城の住宅
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目黒の住宅/House in Meguro
設計:hm+architects/エイチエム プラス アーキテクツ
























House in Meguro
目黒の住宅
<コモンガーデンのある二世帯住宅>
閑静な住宅地、陽当たり良好な南西角地に建つ二世帯住宅です。
1階に親世帯、2階に子世帯、それぞれが安心して暮らすことができる程良い距離感、玄関を共有して緩やかにつながる融合型の関係性が求められました。
・日常生活では各世帯(各階)で住居専用スペースを極力広く設けたいが、同時に家族をつないでくれる共用スペースも何らか用意したい。
・角地のイメージとして、緑豊かな景観を街に対しては出来るだけオープンに提供し、開放的でありながらもプライバシーは一定程度保てるようにしたい(防犯上、外周に塀を巡らすことは避けたい)。
・1階の限られた床面積でも狭さを感じない、外部空間も室内に取り込むような広がりのあるプランとしたい。
こうした内容などから家族をつなぐ場所として、1階の土間(玄関〜リビング)から続く「コモンガーデン」と名付けた庭を設ける提案に至りました。
「コモンガーデン」は、1階の外リビングのような少しだけインテリアに近いスペースで、両世帯やゲストが集まる共用空間にもなります。人と人、内部と外部、季節や時間の変化、などをつなぎ合わせてくれるフレキシブルなスペースです。
<まわれるプラン・十分な収納>
建築の内部は各階とも、視線や風、人がぐるっと、まわれるプランとしています。
多くの収納が必要とされ、各階の北側には長い動線に沿わせた十分な壁面収納を用意しました。床から天井までの収納扉が一面に連続するためか、いつの間にか現場では「収納ストリート」と呼ばれたりしました。
また斜線制限等により建築全体の高さは抑えていますが、空気環境は各室で区切りながら、天井面を視覚的に連続させるようガラスの欄間を多く設けて、水平に広がる伸びやかなイメージとしています。
<存在感と優しさを>
建築全体は、敷地形状、隣地、建築法令、コストや機能面、素材などからおよそ合理的に導き出され、かつデザイン上のバランスを見ながら組上げられます。そうした極めて当り前のプロセスの積み重ねによって、長く存在することとなる建築に固有の存在感が付与されるものと考えますが、それは自動的に生成されるようなものでもなく、また恣意的な形態操作だけでもない、全体のあり方・バランスの調整が設計者にゆだねられている気がします。
「目黒の住宅」では、エントランスポーチとなる大きな軒下空間、2階南面に陰翳を与えるバルコニー庇、東西面の開口部を絞り日射や防火上の効果を持たせた大きな壁面などから導き出されたフォルムとしています。シンプルなプラン、ヴォリューム操作ながら少々特徴ある外観が生まれました。
また南庭のシンボルツリー「ギンヨウカエデ」は夏の日射を遮り、冬は落葉してコンクリート土間へのダイレクトゲインを提供するため、建築の温熱環境にも十分な効果が期待できます。
中低木の植栽では、土地の記憶を受け継ぐ「ザクロ」、圃場でクライアントと選定した可愛らしい「ストローブマツ」、足元で風になびく「スティパ」や「グレベリア ハニーワンダー」などを配置した植栽工事としましたので、小さな庭の計画でも優しく味わいのある緑が角地の景観形成に貢献してくれると思います。
他にはない個性のある建築の佇まいで地域に緑も提供できる、凛とした存在感と優しさを併せ持つような建築になって欲しいと私たちは考えました。
↓こちらに家具の解説を加えています。
造作家具/Furniture – 2
よろしければご覧下さい。
所在地 東京都目黒区
主要用途 住宅
設計監理 hm+architects 一級建築士事務所/伊原洋光・伊原みどり
構造設計 リズムデザイン=モヴ 一級建築士事務所
施工 中鉢建設
植栽 フルヤプランツ
敷地面積 149.64㎡(45.26坪)
建築面積 91.41㎡(27.65坪)
延床面積 157.97㎡(47.78坪)
規模 地上2階
構造 木造
写真 小川重雄
掲載
2022.01 suumo 特集記事/部屋が片付く家具と家
▼初期提案時の模型写真







models photo:hm+architects
尾張の住宅/House in Owari
設計:hm+architects/エイチエム プラス アーキテクツ





















House in Owari
尾張の住宅
<3つのテラスを持つ住宅>
敷地は、南面に接道を持つ南北に長い陽当たり良好な平坦地です。
プライバシーを確保しながら(やや離れた西側近隣のマンションからの視線を避け)、外部を感じることができるテラスのある暮らしを実現することが1つのテーマとなりました。
第1のテラス
3階建ての建築全体ヴォリューム調整のなか、ダイニングとリビングは2F東側の外部空間を介して広がり・つながりを持たせ、南東の日照を心地よく確保出来る中央テラスを計画します。
第2のテラス
居室へのプライバシーと日射の影響を考慮し、西面は壁面の多い構成としながら、微風でも自然通風を得やすい大きな開口部を壁面中央に穿つことに。この2層に渡る凹みを第2の多目的テラスとし、通風(ウインドキャッチ)・眺望・中央テラスへの明るさなどを確保します。
第3のテラス
最上階には、眺望の良い南東に第3のテラスを配置します。
テラス際の居室で朝陽を気持よく感じられること、下階の中央テラスへの日照配慮などから建築ヴォリュームを定めます。
そのほか、リニアな内部階段動線に沿った収納効率の良いストレージを各階に配置すること。愛犬への動線・換気の配慮。空気環境としては各室・階段を個々に区分け可能とすること。クライアントお好みのインテリアテイストを建築に盛込み、また建築全体の外観イメージとしても、シンプルな素材選定としながら近隣建物とは異なる存在感を与えること・・等々スタディを行ないました。
そして意匠・構造・設備、機能とコストを総合的に整理した結果、低層部には梁型を室内に見せないRC造、上層2層は断熱・気密を意識した木造というフレーム構成としています。
外観上は大きく開放的な窓を多く設けずプライバシーを確保し、性格の異なる3つのテラス、中央の内部階段などを介して(大きな吹抜けを空間を持たずとも)住宅の内外に開放感と奥行き感、外部の自然光や風の変化を提供したい・・
建築全体としてフロア構成を複雑にしないまま、緩やかに人の気配を感じられる、立体的な程良い距離感を備えた住宅となることを「尾張の住宅」では考えました。
所在地 愛知県
主要用途 住宅
設計監理 hm+architects 一級建築士事務所/伊原洋光・伊原みどり
構造設計 リズムデザイン=モヴ 一級建築士事務所
施工 シーズン
敷地面積 175.05㎡(52.95坪)
建築面積 84.93㎡(25.69坪)
延床面積 199.07㎡(60.21坪)
規模 地上3階
構造 RC造・木造
写真 小川重雄
▼初期提案時の模型写真








models photo:hm+architects
犬山の住宅 /House in Inuyama
設計:hm+architects/エイチエム プラス アーキテクツ




























House in Inuyama
犬山の住宅
<地域の文脈を受け継ぐ住宅>
国宝犬山城で知られる愛知県犬山市、城下町地区の南に位置する木曽街道近くの田圃のなかに建つ住宅です。
建築士でもあるクライアントは、「この田園風景に調和しながら歴史のある地域の魅力を際立たせるような建築、表現としては奇を衒うことなく控え目な佇まい、しかし他にはない現代的な住宅」を望まれました。
以前、計画地に近い犬山城下町地区の伝統的建造物群保存対策調査に参画した経験から、建設時期が古い町家ほど軒や階高が低いものが多く「ばんこ2階」と呼ばれる建ちの低い建築断面や、土間のあるプランと共に往時の暮らしを感じさせるスケールの小さい建築に興味を抱いたことが思い出されました。一方、計画地付近は、同じ犬山でも城下町地区の町家、街道筋の建築形態から、戸建住宅の田園風景へと変化する地区となっています。現在は頼るべき古い町並も減少していますが、周辺の建築は桁行き東西方向、切妻で平入り形式の建築が比較的多く、また中世から人々の生活の記録が残るこの地には、かつて茅葺き屋根の建築景観が広がっていたと考えられます。
計画では、住まいへの要望と地域の状況から、古い建築の外観や平面形式をそのまま表現せずとも、土地の文脈を感じさせてくれる要素を抽出し、現代のライフスタイルに抽象化して重ねあわせた住宅の構成を考えました。
建築は、水平に広がる田圃の中にポツンと浮かぶようなイメージで、桁行を東西、切妻平入り形式で古建築のスケールに近い軒高を骨格として設定しました。さらに外観のヴォリュームを抑える(北側耕作地へ影を落とさない配慮にもなる)、遠景の山並みにも調和する、内部空間の断面計画などから、屋根形状は急・緩勾配からなる「切妻の折れ屋根」に至りました。屋根フォルムは、伝統的な茅葺(急勾配)と現代の金属葺(緩勾配)の連なりによって時代をつないでいるようにも見えます。外装については、時とともに表情を変えるレッドシダー縦羽目板張りとし、木板の退色によって金属屋根のシルバーグレー色にも馴染みながら、ゆっくりと風景が醸成されます。
外部の表現は抑制しながら、内部については東西に伸びやかな一体的な居住空間(奥行き約13m)をつくる計画としています。エントランスからリビング・ダイニング・キッチンまで屋根型を連続させた空間を南側に、北側には水回りや寝室(個室)を、そして各室をつなぐ動線部分に長さ10mの壁面収納を集約させる平面構成としました。
収納を個室内に設けず、動線部に集約した壁面収納については、家族で共有する意味を込めて「コモンシェルフ」と名付けました。収納を集約して配置することで、収納効率が高まるだけでなく、各室の用途やライフステージの変化にもフレキシブルに対応可能となります。またコモンシェルフに沿う動線空間は、LDKの一体空間の一部にあって、住宅内に路地的な小さなスケール感を生み出し、さらにコモンシェルフ東西の両端部に窓を設けることで、移動の度に季節ごとに変化する田園風景を目にし、住宅内部を散策しているような印象をつくり出します。
そのほか住宅の南東部(エントランスと個室)のコンクリート土間室(土壌蓄熱式輻射床暖房)は、「土間」という地域の建築的な文脈を感じさせる表現のみならず、外部のイメージが室内にも広がる半屋外のような視覚効果、またリビングと一体化した居室の延長としても多目的な利用ができ、空間的・機能的にフレキシブルな運用を可能にする要素となっています。
また敷地の南側に設けた庭は、以前水田であった土地の記憶を受け継ぐランドスケープとし、水平に広がる芝張りが敷地外の田圃へと連なる風景をつくりだしています。
この地の文化や風景、時間の堆積が感じられる建築要素を盛り込み、シンプルな平面構成で変化に富んだ空間を内包し、周辺環境と調和を図りながらも固有の存在感を示す、そんな小さな住宅を考えました。
↓こちらに家具の解説を加えています。
造作家具/Furniture – 1
よろしければご覧下さい。
所在地 愛知県犬山市
主要用途 住宅
設計監理 hm+architects 一級建築士事務所/伊原洋光・伊原みどり
設計協力 裕建築計画
構造設計 藤尾建築構造設計事務所
施工 誠和建設
敷地面積 498.50㎡(150.79坪)
建築面積 100.15㎡(30.29坪)
延床面積 100.15㎡(30.29坪)
規模 地上1階
構造 木造
写真 小川重雄
受賞
第48回 中部建築賞 受賞
Best of Houzz 2019 デザイン賞 受賞
Best of Houzz 2018 デザイン賞 受賞
掲載
2024.10 KLASIC YouTubeチャンネル動画/犬山の住宅 掲載
2022.05 architecturephoto(web)
2021.10 すごい平屋(美しい住まいと家づくりシリーズ)/X-Knowledge
2019.08 建築知識2019年9月号/X-nowledge
2019.06 KLASIC 特集記事(web)
蒲郡の店舗併用住宅/House in Gamagori
設計:hm+architects/エイチエム プラス アーキテクツ

























House in Gamagori
蒲郡の店舗併用住宅(植栽:将来工事)
計画地は愛知県の蒲郡市内の角地で、西側に幅員12mの前面道路、北側には東海道新幹線が走っています。
1階に店舗(パティシエの奥様が腕を揮う小さなパティスリー)とご主人のワークスペース、2階を住居とする併用住宅です。街に対し、店舗としての存在感を建築で示すこと、一方で住まいとしてはプライバシーが十分に保たれる建築のあり方が求められました。
敷地に対して建築は、道路や新幹線からの騒音と西日を避けるため、西・北側を閉じて守るようL型に配置することとし、南・東側に開くことができる中庭を設けています。
また構造モデルは、1階の店舗部分を堅牢な基壇のイメージとなるL型平面のRC造、2階の住居を北側線路に沿う東西に長い木造フレームを乗せた構成の混構造としました。
店舗は、西側のコンクリート壁面の中央に穿たれた開口部をエントランスとし、内部へ足を踏み入れるとコンパクトなパティスリーのスペースから東面に明るい中庭が広がります。その南に隣接させた多目的スペースは、将来カフェスペースとしても運用可能なつくりとし、これら店舗部分とワークスペースはともに外部の喧騒を避け、中庭側にはオープンな構えとしています。
RC部分は壁式構造ですが、逆梁とすることで室内に梁・柱型が表れないフラットな壁と天井面を実現しています。また使用する素材もコンクリート・ガラス・木(木製建具と造作家具)にとどめることで、シンプルな造形、素材の質感から建築の力強さを表現しています。
2階の住宅部分は、東西に長いヴォリュームにまとめ両端部の妻面をオーバーハングさせることで、建築が新幹線と並走しているかのような動きのあるフォルムとしました。この操作によって、街のアイコンとなる建築の外観をつくり出しています。
木造フレーム部分は、外装をレッドシダーの縦羽目板張り、内装には床の無垢フローリングや天井の杉板張り、しっくいの塗り壁など、柔らかみのある自然素材を多用しています。プランとしては、個室を北側に集約させ、南東の中庭を見下ろすこともできる南側に、リビング・ダイニング・キッチンを一体の空間としてリニアに配置し、光や風、視線の抜けを室内に生み出しました。
店舗であり住居であること、存在感を示すこととプライバシーを保つこと、外に閉じ内に開くこと、RC造と木造の混構造、L型(1F)とI型(2F)プラン、陸屋根と切妻の屋根造形、無機質なコンクリートと柔らかい天然木、など・・
それぞれはシンプルなつくりでありながら、異なる(対比的な)要素を1つの建築に重ね合わせることで、固有の存在感を示す建築が生まれるのではないかと考えました。
所在地 愛知県蒲郡市
主要用途 店舗併用住宅
設計監理 hm+architects 一級建築士事務所/伊原洋光・伊原みどり
監理協力 スタジオグラッペリ 一級建築士事務所
構造設計 リズムデザイン=モヴ 一級建築士事務所
施工 丸中建設
敷地面積 636.81㎡(192.62坪)
建築面積 150.11㎡(45.41坪)
延床面積 194.85㎡(58.94坪)
規模 地上2階
構造 RC造・木造
写真 小川重雄
掲載
2023.03 architecturephoto(web)
▼初期提案時の模型写真




models photo:hm+architects
大平台の住宅/House in Ohiradai
設計:hm+architects/エイチエム プラス アーキテクツ



House in Ohiradai
大平台の住宅
所在地 静岡県浜松市
主要用途 併用住宅
設計 hm+architects 一級建築士事務所/伊原洋光・伊原みどり
構造設計 リズムデザイン構造計画事務所/中田琢史
敷地面積 593.00㎡(176.4坪)
建築面積 194.00㎡(58.7坪)
延床面積 246.50㎡(74.5坪)
規模 地上2階
構造 木造
写真 hm+architects
旭ヶ丘の二世帯住宅/House in Asahigaoka
設計:hm+architects/エイチエム プラス アーキテクツ



House in Asahigaoka
旭ヶ丘の二世帯住宅
所在地 神奈川県横浜市神奈川区
主要用途 住宅
設計 hm+architects 一級建築士事務所
構造設計 リズムデザイン構造計画事務所
敷地面積 137.56㎡(41.60坪)
建築面積 84.47㎡(25.55坪)
延床面積 122.94㎡(37.19坪)
規模 地上2階
構造 木造
写真 hm+architects
足山田の二世帯住宅/House in Ashiyamada
設計:hm+architects/エイチエム プラス アーキテクツ


House in Ashiyamada
足山田の二世帯住宅
所在地 愛知県豊川市
主要用途 住宅
設計 hm+architects 一級建築士事務所
構造設計 リズムデザイン構造計画事務所
敷地面積 1142.82㎡(345.70坪)
建築面積 521.60㎡(157.77坪)
延床面積 518.16㎡(156.73坪)
規模 地上1階+ロフト
構造 木造
写真 hm+architects
桜台の住宅/House in Sakuradai
設計:hm+architects/エイチエム プラス アーキテクツ



House in Sakuradai
桜台の住宅
所在地 神奈川県横浜市青葉区
主要用途 住宅
設計 hm+architects 一級建築士事務所
構造設計 リズムデザイン構造計画事務所
敷地面積 165.30㎡(50.00坪)
建築面積 63.76㎡(19.29坪)
延床面積 109.31㎡(33.07坪)
規模 地上2階+ロフト
構造 木造
写真 hm+architects
余地の住宅/House in Yoji
設計:hm+architects/エイチエム プラス アーキテクツ








House in Yoji
余地の住宅
所在地 長野県南佐久郡
主要用途 住宅
設計 hm+architects 一級建築士事務所/伊原洋光・伊原みどり
構造設計 リズムデザイン構造計画事務所/中田琢史
敷地面積 1850.76㎡(559.81坪)
建築面積 234.41㎡(70.90坪)
延床面積 188.30㎡(56.96坪)
規模 地上1階+ロフト
構造 RC造
写真 hm+architects
豊橋の併用住宅/House in Toyohashi
設計:hm+architects/エイチエム プラス アーキテクツ





House in Toyohashi
豊橋の併用住宅
<防火袖壁がつくる光のテラス>
木造2階建、1階に事務所スペースを併設する住宅の計画です。
交通量の多い大きな道路に面していることから、騒音への配慮やプライバシー等を考慮した建築提案とするため、2階に住宅のリビング・ダイニングを配置し、明るく広いテラス「光のテラス」を設けました。
一般に防火・準防火地域では、内部から外部テラスへ連続する開放的な大きな開口部(窓等の寸法制限により)を計画するのが難しくなるのですが、この「光のテラス」では外周部分を建築法令上「防火袖壁」と呼ばれる仕様の壁で立ち上げることでリビングとテラスを開放的につなぐことを可能にしました。外観からはその開放感が想像されにくいつくりとなっているので、プライバシーを保ったままリビングを安心して開放することができます。
またこうした建築の要素によって、まちの景観としても調和を図りつつ、1つの建築として存在感を示すような佇まいとなれば、と考えました。
所在地 愛知県豊橋市
主要用途 事務所併用住宅
設計 hm+architects 一級建築士事務所/伊原洋光・伊原みどり
敷地面積 129.90㎡(39.29坪)
建築面積 90.26㎡(27.30坪)
延床面積 152.40㎡(46.10坪)
規模 地上2階
構造 木造
写真 hm+architects
横浜 青葉の住宅/House in Yokohama – Aoba
設計:hm+architects/エイチエム プラス アーキテクツ





House in Yokohama-Aoba
横浜 青葉の住宅
<家族をつなぐ廻れるプラン>
敷地の周辺状況などから、家族が長い時間利用するスペースを2階に設けました。シンプルな矩形平面の中にリビング・ダイング・スタディコーナー・キッチン・バルコニーまでをフラットに置いて、回遊可能なつながりを空間に持たせながら、機能は程よく分節された居場所を考えました。
プライバシーや日射の影響も考慮し、コストを抑えながら断熱や機密性能を確保した開口部を与えています。全体規模を木造2階建て30坪未満としながらも、光と風、視線は遠くへ伸び、広さを感じることができる住まいです。
所在地 神奈川県横浜市青葉区
主要用途 住宅
設計 hm+architects 一級建築士事務所/伊原洋光・伊原みどり
敷地面積 147.88㎡(44.73坪)
建築面積 60.13㎡(18.19坪)
延床面積 98.10㎡(29.67坪)
規模 地上2階
構造 木造
写真 hm+architects
横浜 旭の住宅/House in Yokohama – Asahi
設計:hm+architects/エイチエム プラス アーキテクツ




House in Yokohama-Asahi
横浜 旭の住宅
<毎日を休日のように楽しく暮らすことができる住まい>
既存の宅盤が全面道路より2m以上高いレベルにあったことなどから、新築計画では高低差に合わせ道路からフラットにアクセスする地下1階(鉄筋コンクリート造)、その上部に地上2階(木造)の居室を配置する構成としました。
建築は、上階ヴォリュームが大きなエントランスの庇の役割を果たし、内部はグリッドプランとして利便性を高め、構造的にもコスト的にも合理的にまとめています。さらに各階には、多趣味のご家族が日々さまざまな形で利用できる性格の異なる3つの外部スペースを設けました。最上階のバルコニーは南東面に開かれ、自由度の高いスペースでありながら、屋根・袖壁と腰壁によってプライバシーも保たれ、安心できる特別な居場所となっています。
所在地 神奈川県横浜市旭区
主要用途 住宅
設計 hm+architects 一級建築士事務所/伊原洋光・伊原みどり
敷地面積 147.21㎡(44.53坪)
建築面積 59.60㎡(18.03坪)
延床面積 128.70㎡(38.93坪)
規模 地下1階・地上2階
構造 鉄筋コンクリート造・木造
写真 hm+architects
豊橋の住宅 Ⅱ/House in Toyohashi
設計:hm+architects/エイチエム プラス アーキテクツ



House in Toyohashi
豊橋の住宅 Ⅱ
<3つの庭を持つ住まい>
平屋に近い住宅に、下記の3つの庭を設けました。
1) まちに対してオープンにつながる前庭
2)リビング、ダイニングにつながるアクティブな中庭
3)ライブラリー、ベッドルームにつながるプライベートな中庭
これらの庭により、内部・外部それぞれの場所に奥行きを生み出し、異なる距離感、家族間の気配、外部とのつながり方を感じられる建築となっています。
所在地 愛知県豊橋市
主要用途 住宅
設計 hm+architects 一級建築士事務所/伊原洋光・伊原みどり
敷地面積 366.77㎡(110.94坪)
建築面積 88.60㎡(26.80坪)
延床面積 105.4㎡(31.88坪)
規模 地上2階
構造 木造
写真 hm+architects
造作家具/Furniture – 5
設計:hm+architects/エイチエム プラス アーキテクツ

「葉山の住宅/House in Hayama」のためにつくられた
オリジナル制作の収納家具(キッチンボード+リビングボード)です。


キッチンボード+リビングボード/Kitchen board , Living board
家具の全長は、4,350mmとなります。
(キッチンボード1,800mm+リビングボード2,550mm)
素材は、クルミの無垢材を使用。
空間イメージと使い勝手などを考慮して、高さは2種類で構成しています。
キッチンボード部分(システムキッチンに合わせて):850mm
リビングボード部分(ソファのある空間に合わせて):550mm

ペニンシュラ型のキッチンの背面に、キッチンボードを配置しています。
各所を引き出しとして、奥行きの深い部分まで利用しやすいつくりとしています。それぞれソフトクローズ金物をつけていただきましたので、重さのあるお皿などを入れて開閉しても非常にスムースな動きになります。
足元のオープンになっているところはゴミ箱のスペース、その右側は大きなボトル(一升瓶)も立てたまま置けるサイズを検討しました。
上面にはオーブンレンジやコーヒーメーカーなど、キッチン家電を置ける想定で壁面に電源も確保しています。


引き出しの見え方は、正面から見て家具のアウトフレームが見えない「アウトセット」おさまりとしていただきました。ただし天板との取り合いは、上面から引き出し面の小口が見えないディテール(製作は大変ですが)をお願いし、天板面での使いやすさとデザインへの配慮を行いました。

キッチンから連続する空間に、お子さんの居場所となる「子どもリビング」スペースを配置しています。ここに設置するリビングボードは、家具の高さは抑え、両開き扉の収納としました。家具上面はさまざまなディスプレイが可能です。
お子さんの絵本やおもちゃ箱、写真アルバムなども収納できるような家具をとのご要望から、アイテムサイズも確認し有効寸法の詳細を検討していきました。
端部には、無垢の家具ならではの蟻組が見え、デザインとして見てもアクセントとなり、特別な味わいがあります。

今回は、無垢の木で作るオーダー家具工房「WOOD STUDIO KUZE’S」の久世さんと図面の打合せ、相談をしながらの家具づくりでした。
オリジナル製作の木製家具といっても、木材の仕上げが主に突き板でつくるものと、無垢材でつくるものとでは、デザインのディテールも異なります。部材の組み立て方、強度や将来の変形、使い勝手まで考慮した上で、見え方をどうするか。無垢材の扱いに経験豊富な久世さんとの意見交換では、普段弊社で行う詳細図面のノウハウとも違った学びが多くありました。久世さんの優しいお人柄が、家具のディテールにも表れていると思います。とても楽しく有意義なコラボレーションが実現しました。
無垢材の家具は、素材の手配から製材、板矧ぎ、加工、組み立てまで一つ一つの大変丁寧な作業を経て出来上がります。製作プロセスなどは、こちらのWOOD STUDIO KUZE’S さんのBLOG で詳しく知ることができます。
↓
1:木取りの記事
2:加工組み立ての記事
3:キッチンボード納品の記事
ご興味のある方は是非ご覧ください。

「葉山の住宅」
主要用途 住宅/家具(キッチンボード+リビングボード)
家具設計 hm+architects 一級建築士事務所/伊原洋光・伊原みどり
家具製作 WOOD STUDIO KUZE’S/久世智也
写真 hm+architects

洗面化粧台/ Bathroom vanity
洗面脱衣室の洗面化粧台、鏡収納。天板には人造大理石、木部はオーク突板仕上げ。足元を浮かせ、軽快に見せながらカウンターに寄付きやすくしました。
カウンター:L1,585mm×D695mm×H680mm
床/磁器質タイル:600mm×1200mm×t10mm (床暖房有)
洗面化粧台の脇(収納の下部)には、愛犬のトイレスペースを設けています。
(床・壁:FRP防水、局所換気設備有)
主要用途 住宅/家具(洗面化粧台)
家具設計 hm+architects 一級建築士事務所/伊原洋光・伊原みどり
家具製作 シーズン
写真 小川重雄
造作家具/Furniture – 4
設計:hm+architects/エイチエム プラス アーキテクツ

「新城の住宅/House in Shinshiro」のためにつくられた、各所オリジナルの造作家具です。

エントランス収納/Entrance storage
エントランスホール部の壁面に設置された、長さ5300mmのエントランス収納。玄関ドア近くの収納扉面(写真手前)には鏡を張り、姿見としました。

キッチン/Custom Kitchen
長さ5000mmのキッチンは、ワークトップをステンレスのバイブレーション仕上げ(松岡製作所)、引出し部分はオーク突板仕上げとしました。大型の食洗機(ミーレ)扉面も同突板仕上げに。
水栓金物もステンレスのバイブレーション仕上げの製品として質感を統一しています。

キッチン作業台+収納/Kitchen Work Table, Shelf
作業台の天板は、ステンレスのバイブレーション仕上げ、側板・収納扉面の仕上は、フローリングでも採用しているオーク(板目の突板)として建築全体で素材を調和させています。
調理器具置き(炊飯器/引出し式、蒸気排出ユニット、オーブントースター)、トレー置き、調理家電用コンセント、ゴミ箱置きなどを内蔵。
(L2000mm×D900mm×H860mm)

コンクリート製ベンチ+薪ストーブ/Concrete bench, Wood-burning stove
鋳物製の薪ストーブ(ドイツのIRON DOG No.7)を置く床は、耐荷重への配慮、薪や灰などのメンテがしやすいコンクリート金鏝仕上げとしました。
脇には、同素材でコンクリート製ベンチを配置。ダイニングテーブルまわりでも椅子以外に座ることができるベンチは、インテリアのアクセントにもなります。
背面壁は、磁器質タイル仕上げ。


木製ベンチ/Wooden bench
2階のテラスに、木製のベンチを設けました。
ここから、南東に広がる遠くの山並みが見渡せます。
外部床のウッドデッキ材と同材のセランガンバツ、壁面からの固定で座面を浮かせたつくり(建築工事の大工さんによる大変丁寧な製作)です。



ソファ+カウンターテーブル+収納/Sofa, Counter, Shelf
ソファを中心としてカウンター机や収納、飾り棚までを一体で製作した、オリジナルの造作家具。全長7800mm、L型ソファの下部には大型の引出しを設置。
ソファ生地は、色彩・質感・耐久性・汚れ防止の効果に優れたデンマークKvadrat社のウール素材を選定。


収納/ Shelf
子ども室の収納。L1800mm×D400mm×H880mmを2本製作し、背中合わせにレイアウトした状況。分けて配置することも可能なように、背面板には仕上げ材を張っています。

カウンターテーブル/ Counter
子ども室のカウンター机。他のオリジナル造作家具と素材を合わせ、オーク突き板+小口無垢材としました。天板には配線穴の加工を2箇所設置。

可動棚/ Movable shelves
家族共用の収納室。約7.5畳の広さに、各段で脱着可能な棚板・パイプハンガーなどを配置。イニシャルコストを抑えながら、大容量で使い勝手も良い、フレキシブルな収納を実現。

洗面化粧台/ Bathroom vanity
洗面脱衣室の洗面化粧台、鏡収納。天板には人造大理石、木部は他と同様にオーク突板仕上げを採用。足元を浮かせ、軽快に見せながらカウンターに寄付きやすくしました。
「新城の住宅」
主要用途 住宅/家具(キッチン、キッチン作業台+収納、ソファ+カウンターテーブル+収納、カウンターテーブル、収納、可動棚、洗面化粧台)
家具設計 hm+architects 一級建築士事務所/伊原洋光・伊原みどり
造作家具工事 キッチン、キッチン作業台+収納、ソファ+カウンターテーブル+収納、カウンターテーブル、収納、洗面化粧台:シーズン
可動棚、木製ベンチ、コンクリート製ベンチ:荒川工務店
写真 小川重雄(2, 7, 10, 12枚目)、hm+architects(その他)
造作家具/Furniture – 3
設計:hm+architects/エイチエム プラス アーキテクツ

「豊橋の住宅/House in Toyohashi」のためにつくられた
ダイニングスペースの造作家具(ダイニングテーブル・キッチン作業台・キッチン)および吊り型のライン照明です。

ダイニングテーブル/Dining Table
平面寸法 2,100mm×900mmのゆったりとしたサイズ、オリジナルデザインのダイニングテーブルです。
天板は40mm厚、仕上材はヨーロピアンオークの無垢4mm張り。
脚部はステンレスバイブレーション仕上げとして、キッチンまわりの素材感と馴染ませています。
シンプルな造形ながら、既製品のテーブルとは一味違った存在感があります。

キッチン作業台+収納/Kitchen Work Table, Shelf
作業台の天板・側板は、ステンレスのバイブレーション仕上げ、収納扉面の仕上は、フローリングや木板壁面で採用しているオーク(板目の突板)として建築全体とも素材を調和させています。
食器類の収納、トレー置き、調理器具置き(炊飯器/引出し式、蒸気排出ユニット、オーブントースター)、調理家電用コンセント、ゴミ箱置きなどを内蔵しています。
エスプレッソマシンは、クライアントのご愛用品です。
本格的な業務用で給排水の配管や電源などの接続もありますが、家具内部にすっきりとおさめています。

キッチン/Custom Kitchen
長さ2500mmのキッチンは、ワークトップと正面・側板の素材をステンレスのバイブレーション仕上げ、吊り戸棚およびレンジフードの化粧板の仕上材を他の造作家具同様にオーク突板としました。
ステンレス一体成形の多機能シンク、水栓金物、大型の食洗機、ビルトインオーブンレンジ、フード、タッチレスのセンサー照明など、使いやすさとデザイン性を両立させるオーダーキッチンです。

ライン照明/Hanging Line Light
ダイニングテーブルからキッチン作業台までの空間を1本のシームレスな光で照らす、LEDのライン照明(調光可能)を製作しました。
吊り照明の筐体は ステンレスのバイブレーション仕上げで、外形寸法は 長さ4,550mm×幅60mmです。
光源は、ダイニングの「くつろぎ」と「作業性」を兼ね備えた空間に自然に馴染む光となるよう、色温度を3500K(ケルビン)としました。
(オレンジ色っぽい電球色と白っぽい蛍光灯色の中間くらいの色彩イメージ)
食材の色味を引き立て、作業や学習時も文字が見やすいため、食卓まわりを様々な生活シーンに対応させられる照明となっています。

キッチン背後(パントリー)からの眺め
「豊橋の住宅」
主要用途 住宅/家具(ダイニングテーブル、キッチン作業台+収納、キッチン、吊り型ライン照明)
家具設計 hm+architects 一級建築士事務所/伊原洋光・伊原みどり
造作家具工事 ダイニングテーブル・キッチン・キッチン作業台:ID – craft
吊り型ライン照明:丸中建設
写真 小川重雄
造作家具/Furniture – 2
設計:hm+architects/エイチエム プラス アーキテクツ

「目黒の住宅/House in Meguro」のためにつくられた
オリジナル製作の ソファ、キッチン作業台+収納 です。

ソファ/Sofa
全長3,700mmのソファです。
座面の下には大型の引出し収納、左右には低いカウンターとオープン棚を一体化させており、建築空間に合わせた形状としています。
タスク照明や携帯電話の充電用として重宝する電源も家具内に設置しました。
木部素材は、フローリングや天井でも使用している天然木のオーク(板目の突板)とし、ソファ生地の色調は、ダイニングチェアの張り地やペンダント照明と同じグレー系で合わせ、空間に馴染むよう配慮しました。

キッチン作業台+収納/Kitchen Work Table, Shelf
平面寸法は 1,900mm×800mm、高さはシステムキッチンに合わせた900mm。
作業台の天板・側板はメラミン化粧合板とし、カラーはキッチンユニットや建築壁面に合わせた清潔感のあるホワイトにしています。
また収納扉面の仕上は、ソファ家具でも採用しているオークの突板として他の木部とも素材感をバランスさせています。

「目黒の住宅」
主要用途 住宅/家具(ソファ、キッチン作業台+収納)
家具設計 hm+architects 一級建築士事務所/伊原洋光・伊原みどり
造作家具工事 ソファ:シーズン、キッチン作業テーブル:フォルムデザイン
写真 小川重雄
造作家具/Furniture – 1
設計:hm+architects/エイチエム プラス アーキテクツ
「犬山の住宅/House in Inuyama」のためにつくられた
オリジナル製作の ダイニングテーブル+キッチン作業台+収納、ディスプレイ シェルフ です。



ダイニングテーブル+キッチン作業台+収納/Dining Table,Kitchen Work Table, Shelf
キッチン脇に置かれ、平面サイズは W3440 × D800 × H900 mm.
家族全員が食事をするテーブル(H=700)と、作業台・収納(H=900)が一体となった造作家具です。
木製の天板・側板は、ゴム集成材で厚さ40mm。
この1枚の木板が、側板からテーブルトップ、作業台トップへと高さを変えて折上げながら連続していくデザインとし、空間をより伸びやかなイメージに演出しています。
また、テーブルと収納との段差部を少し浮かせたディテールとすることで、テーブルに軽快さも与えています。
いつも家族や友人たちが料理を囲んで集う、1つのまとまったコーナーをこの家具がつくりだしています。

ディスプレイシェルフ/Display Shelf.
リビング脇に置かれ、通過動線から緩やかに領域を分けるディスプレイ棚として配置されます。
サイズは W1420 × D300 × H850 mm
こちらも木材はゴム集成材で、各所板厚さは30mm
棚中央部の縦仕切り部材のみ平面的に9度斜めに設置し、矩形のシェルフに最小限の変形操作で強度も持たせ、デザイン的にも建築空間に調和(西面外壁角度と同じ)させる工夫を行っています。

「犬山の住宅」
主要用途 住宅/家具
(ダイニングテーブル+キッチン作業台+収納、シェルフ)
家具設計 hm+architects 一級建築士事務所/伊原洋光・伊原みどり
造作家具工事 誠和建設
写真 小川重雄
直江津祇園祭 福永町屋台 /Fukunagacho Yatai
設計:hm+architects/エイチエム プラス アーキテクツ







Fukunagacho Yatai
直江津祇園祭 福永町屋台
上越まつり(じょうえつまつり)は、新潟県上越市で毎年7月下旬に行われる夏祭りです。
7日間に渡り、前半は高田地区、後半は直江津地区にメイン会場を移して開催されますが、特に直江津地区では「直江津祇園祭」と呼ばれ、19町内の屋台(山車)が4日間練り歩き、最終日に八坂神社に米俵を奉納する「御饌米奉納」でクライマックスを迎え幕を閉じます。
このうち福長町の屋台については、約80年振りに新築する運びとなり、ご縁あってその設計をさせていただくこととなりました。
各町の屋台(山車)のデザインは、港のある直江津らしく船型の基壇を基本形式とするものが数多く見られます。
町内を練り歩く際には、進行方向である船首側(屋根妻面:短手面)が屋台の正面となりますが、まつりの最高潮となる「御饌米奉納」時には、屋台の桁行(長手面)を八坂神社正面参道に正対させ奉納を行なうこととなります。
福永町屋台では屋根中央に唐破風の小屋根を設け、この「御饌米奉納」時にも屋台の長手面に正面性を与えるデザイン操作がなされています。これは他の18町内の屋台には見られないもので、福永町のアイデンティティーを示す屋台意匠の1つとなっています。
所在地 新潟県上越市
主要用途 直江津祇園祭 屋台
設計 hm+architects 一級建築士事務所/伊原洋光・伊原みどり
調査協力 岩田敏也
施工 大滝工務店
構造 木造
Project/House in Hayama

先日、新築プロジェクトの提案を行ないました。
リクエストいただきました内容を合理的に、コンパクトに盛り込んで
実際の面積以上の広がりを感じられるよう、建築的な検討を行っています。
住宅の内外に様々な居場所を用意して、各要素はシンプルなものでありながら全体として変化に富んだシーンをつくりだせたら・・という思いを(毎回のことですが)図面と模型に込めています。

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遠隔にて
人が集まって対面で何かをするのが難しい状況が続き、様々な場面で遠隔のスタイルが一般的になってきました。
私(伊原洋光)が所属しています田園都市建築家の会でも
メンバー全員が集まる定例会議や、少人数のグループ打合せでは基本的にZoomを利用するようになりました。
移動の時間が節約され、また時間帯も遅めでもOK、みたいなニュアンスがいい感じです。
先月、クライアントご家族と行いました遠隔の設計打合せでは
ZoomではなくiPhoneのFaceTimeを利用し、
図面資料や模型、PC画面で部分の解説などをさせていただきました。

初めての遠隔打合せでしたが、これまでの対面打合せのように違和感なく会話もでき、無事に設計の内容もお伝えできたと思います。
模型の一部を説明する時など、ZoomなどPC端末にはないハンディな良さもありました。
また先週より、非常勤講師としてお世話になっています2つの大学で遠隔授業の対応がはじまりました。
遠隔ということで、指導者も学生さんも新しい形の授業の準備をどうすべきか、大学にもよりますが方針を定めるのになかなか大変な状況です。
大学サーバへのデータのアクセスが集中するとどうなるか
学生さんの通信環境や端末は一様で無いがどうか
学習効果が対面での授業と同等であるか
双方向のコミュニケーションが成立しているか
エビデンスを残す、など。
私なりにドキドキだった初回の講義を何とか終え、昨年までは行っていなかった学内情報システムを利用した授業アンケートを実施し、コメントを書いてもらうことにしました。
思った以上に前向きな意見が多く、私も授業へのモチベーションが例年以上に上がりそうです。
学生さんにとっては、こうした形式の方が意見が言い易いという良い面もあるようですね。
「テレワーク」と「リモートワーク」という言葉があります。「テレワーク」のほうが国内では多く用いられているようですが、ほぼ同じような意味でも「リモートワーク」の方が、ややチームで働くという意味合いが強いようです。
個人的にはこちらのほうが、離れていても関係するみんなで一緒に協力しているような雰囲気があり、好みです。
このところ、大学での新たな準備、設計作業でも実施設計・新規のご提案作業にかかりきりとなってしまい、ブログが暫く振りとなり失礼いたしました。
未経験のことに対応していく状況が、まだしばらくは増えそうですが、柔軟に考えていきたいものです。
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ブログからの「点・線・面」

写真は、2020年2月に岩波書店より刊行されたばかりの書籍
「点・線・面」です。
著者は、世界的なご活躍で広く一般の方にも知られる建築家、隈研吾さん。
みずからの建築思想を、具体的な作品を俯瞰しながらまとめ
ご多忙を極める中、書き下ろされたという渾身の1冊です。
モダニズム建築や西欧の建築的伝統と、自身の建築のどこが本質的に異なるか・・
20世紀の「ヴォリューム」を解体しようと熱望され、
原点にあった カンディンスキーやギブソン、ドゥルーズ、新しい自然科学の潮流など
さまざまな思想が流れ込みながら一つの形を取るようになってまとめられた この思想を
著者は「新しい方法序説」と位置づけています。

解説、参照される事例も多岐にわたります。
こちらは巻末にあります、図版出典一覧ですが、さすが錚々たる資料提供元という印象です。
そこに私の写真が1つ・・場違いなような気もしますが「図26」として掲載されました。
以前私が建築家、村野藤吾 設計の「千代田生命本社ビル」を見学した際に撮ったものですが、このたび編集者よりお問い合わせをいただき1点、写真を提供しました。
隈研吾さんが村野建築についてディテールを例に解説をしようと資料を探され、拙ブログ記事(2016年4月)の写真を見つけられたのだそうです。他の専門資料ではこの部分を意図的に説明する写真がなかったようで、ご指定いただきました。
ブログのスナップ写真から、こんなこともあるのですね。
もっとしっかり撮っておけば良かった・・と思っても時すでに遅し(笑)。
普段は設計実務作業が中心で、正直なところ読書は疎かになっておりましたが、
「建築の思想と実践」に関する良書を拝読する機会を与えていただきました。
ご興味ある方は是非、手に取ってみてください。
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田園都市建築家の会 第5期理事会

先週、所属しています一般社団法人「田園都市建築家の会」の第5期理事会が発足いたしました!
これまでの第4期メンバーと共に地元の横浜市青葉区にあります驚神社にて商売繁盛の祈願をしてきました。
個人的には予想もしていなかったのですが、末席ながら新理事会メンバーに加わることとなりましたので、身の引き締まる想いで参加させていただきました。

新会長の吉田立さんはじめ、全員で会の活動をこれまで以上に楽しく盛り上げていきたいです!
(写真は、理事メンバーでご一緒します山田悦子さん撮影です)
みなさま、どうぞよろしくお願いいたします。
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